「SDGsを知ってもらうため」商品パッケージの工夫(画像3点)
「Made For You」をキーワードに食品ロスに挑む
マクドナルドでは、2001年から商品提供に関して大きな改革を行った。それが「Made For You」だ。それまでは過去のデータから受注数を予測し、作り置きをして、スピーディに食事を提供する体制がとられていた。が、Made For Youは出来立てを届けるために、オーダーを受けてから商品を作るシステム。店舗システムの大幅な変更が必要とされたが、今見るとSDGsの観点からも先進的な判断であったといえる。
2001年には9.9kg(完成品ウエスト対売上100万円あたり [kg/100万円])だった食品ロスは、Made For You全店導入達成の2005 年に4.8kg、さらに2020年には2.9kgまで削減することに成功。成果は高く評価され、農林水産省から第4回食品産業もったいない大賞 農林水産省食料産業局長賞の受賞にもつながった。
また、現在は日本各地で各自治体との連携による、廃棄食材の二次利用にも積極的だ。その一例が、兵庫県姫路市と取り組んでいるコーヒー豆のリサイクル。豆そのものがSDGsな素材の認証を受けているうえに、それを堆肥として再資源化する。そのほかにも、フライ油の鶏用飼料へのリサイクルも実践中だ。そして、日本マクドナルドの2021年の食品リサイクル率(※)は60.2%に達している。
非常に専門性の高い取り組みだが、広報部マネージャーの石黒さんによるとSDGsは専任の独立したチームが手掛けているわけではないそうだ。さまざまな部署の多彩な人材が、集まり、プロジェクトが進められている点が興味深い。
「サスティナビリティへの取り組みを行うチームが部署横断型で組織されているから、お店の運営の観点、行政観点など、それぞれの知見を取り入れられて、結果3方良しの取り組みとなります」と石黒さん。
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サスティナビリティネイティブとのかかわり

ご存じの通り、マクドナルドは若いファミリーにも大人気で、多くの子どもたちが店舗を訪れる。子どもに人気の高いハッピーセットのおもちゃは使わなくなると、店内の回収ボックスで、子ども自身がリサイクルに参加する体制が整っている。回収されたおもちゃは、プラスチックの素材ごとに分解されたのちリサイクル。一方で、サスティナブルな紙素材でできたおもちゃが登場するなど、さまざまなチャレンジが続いている。日本マクドナルドでは、2025年末までに、ハッピーセットのおもちゃのプラスチックをすべてサスティナブルな素材に変えるのが目標だ。そして、パッケージやカトラリーについても、同じ目標を掲げている。