残価設定ローンなら、意外と買えなくもない
800万円……。若い世代にとっては大金であり、ぜんぜん若くない筆者にとっても、もちろん大金です。そのため「あ、無理だ。もう991型について考えるのはやめにしよう」と思いたくもなりますが、実は「意外と買えなくもない」というのが、この800万円ぐらいの991型ポルシェ911前期型カレラまたはカレラSなのです。
なぜ「意外と買えなくもない」かといえば、世の中には「残価設定ローン」という便利な仕組みがあるからです。
ご存じとは思いますが、クルマにおける残価設定ローンというのは、「全体にかかるお金の50%ぐらいを据え置いて、残りの50%ぐらいだけをとりあえず支払う」というものです。厳密には、金利は全体にかかってしまうのですが、話がめんどうになるため、そこはちょっと無視します。
で、その残価設定ローンを利用するとしたら、果たしてどうなるんでしょうか?
例えばポルシェ・ジャパンの正規ディーラーで800万円の認定中古車を買う場合で試算してみましょう。あ、これはあくまでも筆者による勝手な試算で、金利等も含めてかなり適当というか「仮の計算」でしかありません。なので、正確な試算は最寄りのポルシェ正規ディーラーで確認してくださいね。そこはぜひよろしくお願いいたします。
で、結論として(仮のテキトーな)試算は下記のとおりとなりました。
車両価格 800万円
据置額 400万円
頭金 0円
ローン対象額 400万円
支払回数 60回
ローン金利 1.9%
ボーナス月加算額 10万円
毎月支払額 5万2452円
最終回支払額 400万円
この試算結果から考えなければならないポイントは2つです。
ひとつは、「月々5万2000円ぐらいを払えるか? 」ということ。
そしてもうひとつが、「ところで5年後の最終支払回のときに、そのポルシェは400万円で売却できるのか? 」ということです。
前者の「月々5万2000円ぐらいを払えるか? 」という点については、もちろんひとそれぞれの状況次第ですが、「わりと給料がいい」あるいは「実は親と実家に住んでいる」なんて人であれば、青年であってもけっこうイケるような気もします。
2つめの「5年後に400万円で売れるのか? 」という問題、つまり「足が出ないか? 」という点については……まあ微妙ですね。これまた状況次第なのでなんとも言えないのですが、筆者個人の予想としては「少々足が出る」ぐらいの感じなのではないか……と思っています。
以上の話を読んで、「オレ、買えるかもしれない! 」と思った方は、ぜひ近所のポルシェ正規ディーラーに行ってみてください。991の前期型は本当に素晴らしいクルマですので、「買って後悔する」ということは99%ないはずです。
一方で、「あ、オレは正直無理! 」と思った方は、それはそれでもちろん大丈夫です。ポルシェ911というのは「無理に買わねばならないクルマ」ではないので、買わずとも、特に問題はないのです。
文/伊達軍曹 編集/iconic