初めてのポルシェ911講座 #05:
余裕がある人が探すなら“本命”はタイプ991前期
800万の予算を組める場合の「最高」は?
前回の記事では、2004年途中から2011年まで製造販売された「タイプ997」というポルシェ911(今から2世代前のやつ)について、「現実的な予算で中古のポルシェ911を探す場合の“本命”である」という旨のご説明をしました。
今回はその次の世代、すなわち2011年11月から2019年6月まで販売された1コ前のポルシェ911こと「タイプ991」について考えてみます。
いきなり結論から申し上げますと、991型ポルシェ911の中古車は、「もしも予算が許すならば、これこそが最高の選択」ということになります。前回お伝えした997型は「現実的な予算という範囲内での最高」で、こちらは「ある程度お金に糸目をつけない場合の最高」ということです。
ただ、本編の前に「タイプ991とはそもそもどんなクルマなのか? 」ということについて、簡単に触れておきましょう。
タイプ991は、ポルシェ911としては7代目にあたるモデルで、日本での販売期間は前述のおり2011年11月から2019年6月でした。
最初に登場したカレラおよびカレラSは、前身であるタイプ997と比べてやや大柄になりましたが、車両重量はむしろ軽量化に成功。そのため「スポーツ性能と居住性が同時に向上した」と評することができます。
ベースモデルである「カレラ」に搭載されたエンジンは、従来型より排気量が200cc小さい新開発の3.4リッター水平対向6気筒自然吸気。350psの最高出力と、39.8kg-mの最大トルクを発生します。トランスミッションは7MTまたは7速PDK(ダブルクラッチ式セミAT)です。
同時に登場した「カレラS」というのはその高出力版で、エンジンは自然吸気の3.8リッター。こちらは最高出力400psの最大トルク44.9kg-mと、カレラよりも1段階ぐらい強力です。
その後、カレラ/カレラSに続いて2012年8月には四輪駆動バージョンのカレラ4とカレラ4Sが追加され、さらには「GT3」や「ターボ」などの超強力なモデルも追加されていきます。
が、カレラ4とカレラ4Sはさておき、ターボやGT3などについては無視して話を進めましょう。なぜならば、そういった超強力なモデルはあまりにも高額すぎて(たとえばGT3は、いちばん安い中古車でも1800万円ぐらいします)、私ども庶民にはあまり関係がないクルマだからです。