初めてのポルシェ911講座 #04:
現実的予算で探すなら“本命” はタイプ997
丸目とリアフェンダーの膨らみで“らしい感じ”に
前回の記事では、1997年から2004年まで販売されたタイプ996という3世代前のポルシェ911について、「人気薄だったり、エンジンの構成部品に問題を抱えていた世代があったりもするが、“予算300万円以上ぐらい”を目安に良質個体を探すのであれば、悪くはない選択だ」という旨をお伝えしました。
今回はそれの次、2004年途中から2011年まで製造販売された「タイプ997」という世代について考えてみます。
結論から申し上げますと、このタイプ997こそが、比較的手頃というか現実的な予算で中古のポルシェ911を探す場合の“本命”となるでしょう。
日本では2004年8月に受注が始まったタイプ997ポルシェ911は、996型で不評だったティアドロップ型のヘッドランプを、ポルシェ911に伝統にのっとった丸目に変更というか復帰させ、同時にリアフェンダーのふくらみを強調して“らしい感じ”になったというのがビジュアル上の特徴。
前期型のエンジンは、ベースグレードの「カレラ」はタイプ996からキャリーオーバーした3.6リッターの水冷水平対向6気筒(最高出力325ps)で、高出力版の「カレラS」は新開発の3.8リッター(最高出力355ps)。ちなみに加速や最高速に関するメーカー発表値は、カレラの場合0-100km/h加速が5.0秒で、最高速度は285km/h。普通に使うには十分以上のパフォーマンスだと言えるでしょう。
後輪駆動であるカレラとカレラSをそれぞれ四輪駆動化した「カレラ4」「カレラ4S」というのもあって、そのほか、超絶ハイパフォーマンスを発揮する「ターボ」や「GT3」「GT2」などのスペシャルなグレードも存在します。
しかしすべてのモデルをさらおうとすると話が長くなりますし、ターボやGT3などは中古でもかなり高額で、普通はなかなか買えるものでもないため、ここは「カレラ」に選択と集中をしたうえで話を進めたいと思います。