
航続距離・駆動方式・価格を明確に切り分けた、合理的ラインアップ戦略
アウディはアッパーミドルクラスのBEV「A6 e-tron」シリーズに、後輪駆動のエントリーモデルと四輪駆動のquattroモデルを新たに設定した。SportbackとAvantの2種類のボディを揃え、走行性能や航続距離、用途に応じた選択肢を広げている。
A6 e-tronは、ポルシェと共同開発した電動プラットフォームPPE(Premium Platform Electric)を採用するモデルだ。低重心レイアウトと高いボディ剛性、優れた空力性能を前提に、BEVとしての効率、走行安定性、居住性を高い次元で成立させている点がシリーズ共通の基盤となる。
今回追加されたエントリーモデル、A6 Sportback/Avant e-tronは、最高出力240kW、最大トルク435Nmを発揮するモーターと、83kWhのバッテリーを組み合わせた後輪駆動仕様。一充電走行距離(WLTCモード)はSportbackが647km、Avantが617kmとされ、日常域からロングドライブまでを想定した実用的な航続性能を備える。後輪駆動ならではの素直なハンドリングと、電動車特有の滑らかな加速フィールを重視したキャラクターだ。価格はSportbackが881万円、Avantが912万円に設定されている。
一方、A6 e-tron quattroは前後2基のモーターを用いた四輪駆動モデルとなり、システム最高出力340kW、最大トルク580Nmを発生。100kWhバッテリーの搭載により、Sportbackで725km、Avantで697kmというクラス上位の航続距離を確保しつつ、高速域での安定性や悪天候下でのトラクション性能を高めている。価格はSportbackが1125万円、Avantが1156万円と、性能差を明確に反映した設定となる。
効率面では、最大220kWの回生が可能な高度な回生ブレーキシステムを採用。日常走行における減速の約95%を回生で処理し、前後アクスルを統合制御するiBS(統合ブレーキシステム)によって、自然な制動フィールと高いエネルギー回収効率を両立している。
充電性能も実用性を重視した設計だ。150kW級急速充電器使用時には最大135kW(エントリーモデルは112.5kW)での充電に対応し、10%から80%まで約35分で充電が可能。PCA(プレミアム チャージング アライアンス)の1年間無料プロモーションも用意され、導入期の充電コストを抑えられる点も見逃せない。
A6 e-tronのラインアップ拡充は、選択肢を増やすための施策ではない。後輪駆動とquattro、バッテリー容量と航続距離という要素を論理的に整理し、価格差も含めてユーザーの使い方に応じた最適解を提示する試みだ。感覚ではなく構造で語る──その姿勢こそが、アウディらしいプレミアムBEVの成熟を物語っている。
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