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ビトゥルボを手掛けたアンドレアーニがデザインを担当

デ・トマソ仕様のプロトタイプ製作現場
初代シャレードをベースとしたデ・トマソ仕様のプロトタイプ製作現場

このプロジェクトは単にロゴの入ったストライプを後付けするというような簡易なものではなかった。デ・トマソのデザイナーやエンジニアたちは実車を元に、様々な検討を行い、スタイリング面においては原寸大でモデリングまで行う力の入れようであった。それは後述する“ある特別なモデル”の存在からも証明される。

実作業は初代シャレードのヨーロッパ仕様がデ・トマソ社へ運びこまれるところから始まった。デザインを担当したのはデ・トマソ社に属し、マセラティ・ビトゥルボのデザインも担当したピエランジェロ・アンドレアーニであった。丸みを帯びた初代のスタイリングは、より直線基調へと手が加えられ、特徴的なリアクォーターの円窓はカウリングで覆われた。車高を低く見せるという効果を狙ったと、アンドレアーニは語ってくれた。このコンセプトモデルは高く評価されたが、当時、2代目の開発が進んでいたことから、商品化は見送られ、次期モデルにこれらのリサーチを採用することが決まったという。

完成した初代シャレード・デ・トマソのプロトタイプ
完成した初代シャレード・デ・トマソのプロトタイプ

初代シャレードをベースとしたプロトタイプのコンセプトは、デ・トマソ・ターボのみならず、まもなく発表された2代目シャレードのスタイリングに大きく影響を与えていたという事実も面白い。別の視点からすれば、マセラティ・ビトゥルボのデザイナーであるアンドレアーニのデザインが活かされたということは、2代目シャレードとのビトゥルボの間に一つの“絆”があるということにもなる。なかなか興味深い日伊のコラボレーションをアレッサンドロ・デ・トマソは提供してくれたではないか。

次回はデ・トマソ・ターボの詳細と、続いて発表された“とんでもないモデル”についてお伝えしていきたい。

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文・越湖信一 写真、取材協力・Pierangelo Andreani(Andreani Design sas)、ダイハツ 編集・iconic

<p>人気を博したシャレード・デ・トマソ・ターボの生産形</p>

人気を博したシャレード・デ・トマソ・ターボの生産形

<p>アンドレアーニによるデ・トマソ仕様のアイデアスケッチの一枚 フロンドフードに設けられたエアインテークがユニーク</p>

アンドレアーニによるデ・トマソ仕様のアイデアスケッチの一枚 フロンドフードに設けられたエアインテークがユニーク

<p>デ・トマソ本社でダイハツサイドへ披露されたデ・トマソ仕様</p>

デ・トマソ本社でダイハツサイドへ披露されたデ・トマソ仕様

<p>メーターナセル内のプレゼンテーションだが、レイアウトはマセラティ・ビトゥルボとそっくり</p>

メーターナセル内のプレゼンテーションだが、レイアウトはマセラティ・ビトゥルボとそっくり

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