クルマと食、アウディとカルビーはそれぞれどう社会と向き合うのか?

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アウディ前編

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #4
カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO・伊藤秀二 さん《前編》

世界的な気候変動や紛争などによる食糧危機とともに、国内でも食料自給率の問題があらためて問われている。カルビー株式会社は、食を通じて社会課題を解決することで、新たな食の未来を創造する。シリーズ第4回は、代表取締役社長兼CEOの伊藤秀二さんとアウディ ジャパンのブランドディレクター、マティアス シェーパースさんとが対談する。食品と自動車というそれぞれのビジネスにおけるSDGsへの取り組みとは。

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #4

※第3回の記事はこちらから
アウディと山本山の「未来を大事にする組織づくり」とは?【CEO Talks e-tron #3《前編》】

クルマと食品、それぞれが目指すSGDs経営の共通点は?

伊藤秀二さん

シェーパースさん 今回はクルマと食品ということで、SDGsについても共通するイメージが少し異なるかもしれません。まずはその辺りから伺えますか。

伊藤さん 私自身SDGsに共感し、ゴールに向かって取り組んでいかなければと思っています。ただ、すべての目標を一斉に進めた場合、必ずしも正しい状況にならないとの危惧もあります。社会全体が、時には立ち止まり、方向性に対してきちんと考え、議論する慎重さも必要だと思うんです。

シェーパースさん 私も、たとえば食品におけるフェアトレードやパームオイル、チャイルドレイバーなどの問題に対して消費者が理解を深め、判断するのが当然だと思います。その価値観を反映してこそ真のサスティナビリティが生まれるわけで、電気自動車もグリーンエネルギーつまり再生可能エネルギーを使わないと意味がありませんし、では再生可能エネルギーをいかに日本で普及させるか。そこまで考えていくという姿勢をこうした場を使って広く提案したいのです。

伊藤さん 私たちの事業の半分以上が馬鈴薯(ばれいしょ)などの農作物を使い、農業と共にあります。いわば自然と生活者をつなぎ最適な循環をつくり、お客様に食べる楽しさを届けています。1949年の創立時は、終戦後で食べ物がなく、本来は食べられる食材を無駄にせずに有効資源として活用したいとの考えがありました。栄養価を重視し、基本的に素材の加工度をあまり上げず、丸ごと使うという理念はその当時からです。

シェーパースさん カルビーさんの創業の考え方自体が、いわゆるサスティナブル的な発想から始まっていたのですね。

伊藤さん 国内の食料自給率は上がらず、いまや食糧安全保障がクローズアップされています。カルビーグループは、1980年代初頭、北海道に原料調達を担う子会社を設立し、馬鈴薯生産者と契約して毎年安定的に仕入れています。信頼関係が生まれ、最近ではスマート農業の技術導入や収穫時のサポートなどを行っています。馬鈴薯での成功事例をもとに、競争力ある作物を日本国内で作り、加工することで内需の拡大と海外にも販売していきたいと思います。このように事業を通じて、SDGsに対応し、社会課題の解決にもつなげていきたいですね。

シェーパースさん 原料からお客様までつなげる発想であり、社会にも貢献することになりますね。私自身は消費者としてみると、日本国内で有機野菜をあまり見かけないのが残念ですが。

伊藤さん 私たちも一部地域では有機栽培した馬鈴薯でポテトチップスを作り、販売しています。ただ有機栽培をしてくれる生産者が少なく、非常に手間がかかり、数量も限られています。結果として価格も高くなってしまうんですね。それでもやり続ける価値がありますが、需要全体に応え、安定的に商品を供給する観点からは、そこだけを追求するわけにはいきません。やはりバランスを考えていかないと。

シェーパースさん そうですね。食料自給率もありますし、誰もが通常より何倍もの値段のするポテトチップスを買えるわけではないですからね。

伊藤さん それはクルマも同じではないでしょうか。電気自動車に対し、現状で利便性を得ている社会や個人がいるわけで、それこそバランスが課題です。

>>>後編に続く

今回乗ったクルマはコチラ

Audi Q4 e-tron
アウディ前編

アウディの電気自動車e-tronは、グリーン電力を使用するカーボンニュートラルな工場で生産され、静粛性に優れ、力強いトルク感やリニアな加速など走る楽しさも損なわない。写真のAudi Q4 e-tronは、初のコンパクトSUVとして普段使いからレジャーや旅行など幅広い用途に応える。コンパクトなボディサイズにも関わらず、上位モデルに匹敵する室内空間をもち、余裕ある一充電走行距離も魅力だ。全長4,590×全幅1,865×全高1,630mm、最高出力150kW、最大トルク310Nm、一充電走行距離576km。599万円~※12月26日現在
Audi e-tronスペシャルサイト

 
マティアス・シェーパースさん

マティアス・シェーパースさん

1975年東京生まれ。国際基督教大学卒業、経営学(MBA)修士。2002年にアウディ(ドイツ)入社後、アウディジャパンに出向。ロジスティックはじめ、東南アジアや日本のマネジャーを務め、アウディ フォルクスワーゲン台湾社長から昨年アウディ ジャパン社長を経て、今年フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長と現職の兼任に。



伊藤秀二さん

カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 伊藤秀二さん

1957年生まれ、福島県出身。大学では経営学を専攻し、79年にカルビー株式会社に入社。工場での研修から営業、生産、マーケティングなどに携わり、2009年に代表取締役社長就任。自然の素材を活かしたものづくりに向き合い、2030年に向けて「Next Calbee 掘りだそう、自然の力。食の未来をつくりだす。」という長期ビジョンを掲げている。


撮影=筒井義昭 文=柴田 充

2024

VOL.341

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