LOEWE(ロエベ)の「パズルバッグ」

一線を画した10年目のレガシー
2015年に、クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソンがロエベのために初めてデザインしたパズルバッグ。何枚かのレザーパーツを不規則に組み合わせたデザインは折り紙から着想を得ていて、巧みなクラフツマンシップが生むその構造から、他とは一線を画した無二のクリエイションとなっている。
この10年間、パズルは多彩な素材やデザインで再創造され、バッグシリーズやアクセサリーへと展開の幅を大きく広げている。が、本誌ではこちらをおすすめしたい。独特の幾何学的なデザインと四方体のフォルムが特徴のパズルバッグ。シングルステッチのラインが入ったレザーピースを重ね合わせた本作は、視覚的な華やかさとは対照の、構造的ミニマリズムを見事に形にしたアートピースだ。サプルグレインカーフスキン特有のなめらかな質感で、シックかつ上品な色味が持ち味。ラージサイズをあえてクラッチバッグのように抱えて持てば、グッとこなれ感が増すだろう。これもまた、ロエベのシグネチャーとして愛され続けていくに違いない。
[MEN’S EX Summer 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)※表示価格は税込み