アウディと山本山の「未来を大事にする組織づくり」とは?

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CEO Talks e-tron

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #3
山本山 代表取締役社長・山本嘉一郎 さん《前編》

江戸の社会や生活習慣にはエコシステムやSDGs的な発想があったといわれる。元禄3年(1690年)創業の山本山は、長い歴史においてその文化や伝統の継承と革新を続ける。シリーズ第3回のゲストは、10代目当主であり、代表取締役社長を務める山本嘉一郎さん。山本社長は根っからのクルマ好きで知られ、e-tronのアンバサダーを務める。アウディ ジャパンのブランドディレクター、マティアス シェーパースさんとの話も盛り上がる。

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #3

※第2回の記事はこちらから
自然環境を大切にするアウディと星野リゾートとの共通点とは?【CEO Talks e-tron #2《前編》】

これからの時代に合った持続可能な経営とは?

未来を大事にしたから歴史がある

シェーパースさん 未来を迎えるには変化が伴い、それを恐れることなく、むしろ変化をチャンスと思うべきではないでしょうか。経営者として事業を継続するためには、やはりその姿勢を持たなければいけないと思うのですが。

山本さん うちの場合、私以外は山本山の歴史を語っちゃいけないんですよ。社員が語れるのは未来だけ。それが300年続く価値なんです。歴史を大事にしたからじゃなく、未来を大事にしたから歴史がある。過去を振り返っている人たちに未来は来ないし、歴史も作れません。

シェーパースさん トラディショナルな業界の中で、そのような発想に、社員の皆さんはついていけるのですか。

山本さん ついてこれませんね(笑)。特にうちみたいなファミリービジネスはやはり一族の経営者が責任を持ってそれをやらないといけない。

シェーパースさん アウディもドイツの自動車産業の中で120年も作り続けていると、守るべきことも多く、一方本当に守るためには、先を見つめなければならないと思います。

山本さん 実は守ろうとしている、その多くは自分なんですよ。会社の歴史や過去を捨てると自分が守ってきたものまでも一緒になくなる気がするから保守的になってしまう。でも未来に進みたいんだったら、先を見ないといけないと思います。

シェーパースさん アウディは2026年以降に発表するニューモデルは全て電気自動車、2033年以降は内燃エンジンモデルは一切作らない、という目標を掲げました。まず危機感を持って、思い切って変わるためにはデッドラインを作り、そこに向けて進んでいくというビジョンを明確にすることが重要だと感じています。

山本さん そう思います。多くの人が理解するまでには時間がかかりますが、だからといってビジョンを出せないのはもっと駄目です。一方でSDGsの発想からすれば、続けるというのは大事なことですよね。私は続けられないことは始めないという信念を持っています。でも一度始めたことは続けなければいけない。

シェーパースさん そうですね。電動化は単にクルマだけの話ではなく、国のエネルギー政策と密接に関係しているので、アウディでは『Sustainable Future Tour』というプレスイベントを開催して、日本が電気自動車の社会を迎えるには、何が必要になるのかという議論を、メディアの皆さんと行っています。例えば、林業が盛んな岡山県真庭市は、廃材を利用したバイオマスエネルギーで自給率100%を目指して、4万人分のエネルギーを作っています。そのような現場にメディアをお連れして、各地で行われている、素晴らしいサステナブルな事例を目で見て感じ、未来に向けて議論していくことが重要であると考えます。

ヨーロッパでは、カーボンニュートラルに進むためには、電気自動車への切り替えは必須と考えられており、そのためには自然エネルギーに投資して、次の20年間でそれを実行するという段取りに入っています。いま我々にできることは、まずそのような議論を進めることだと感じています。岩手県八幡平市には地熱発電所があり、そこで生成された再生可能エネルギーを使用してバッテリーチャージすることができれば、電気自動車は走行時も一貫してクリーンになります。アウディは全ての電気自動車e-tronをカーボンニュートラルな状態で生産していますが、お客さまが購入後にクリーンな再生可能エネルギーによる電力をどこでチャージするかについても考えていきたいと思っています。

山本さん 私は、電気自動車は世界が変わるために意識改革をする絶好のチャンスだと思うんですよ。移動や物流は生活にものすごく密接につながっているから、自動車産業というのは世の中の変革にすごく重要な役割を担っている。ですから、電気自動車を使いながら意識の改革をしないと未来に行けないでしょう。

シェーパースさん アウディのブランドビジョンが「Future is an attitude」、考え方たひとつで未来を変えることができる。まさに山本社長がおっしゃっていることです。

伝統と革新、そしてSDGsを見据えた新たなる商品開発が求められる時代へ

対談
カルチャーチェンジに必要なのはやっぱりコミュニケーション

山本さん 私がこれから目指したいのは、人間が持っているやる気だとか、信頼をし合って共鳴していくアライアンスというのかな。その中でビジネスを構築していくことなんです。

シェーパースさん それも時代の変化に対して、どう対応するかということですね。とくに山本山さんのような老舗がどのような形で革新を続けているか。アウディとの共通項は、何かということに興味がありました。

山本さん お互いに共通するのは未来を大事にする姿勢でしょう。未来は考え方次第で変わる。過去を考えても何も変わらないけど、未来を想像し新しいことにチャレンジすれば、いくらでも時代は変えられる。そして、最終的に実行に移すのは社員です。そのことを理解して、どれだけ自分のやる気に置き換えて、自分ごととして動いてくれる人に集まってもらうか。もしくは育てられるかだと思うんですよ。物を作るのは簡単ですけれど、人を育てるのはすごく大変ですから。

シェーパースさん 私たちも「e-tron X(エックス)」という、部署を横断したチームを作り、電気自動車を日本で成功させるためのストーリーラインを考えています。そのメンバーのアイデアを戦略に取り入れて実行して、彼らのモチベーションを上げていく。先ほどの『Sustainable Future Tour』もそのアウトプットのひとつです。

山本さん 人材活用は簡単ではないですね。とくにこの数年でネットワークを使って主体的に仕事ができる人と、そうでない人が分かれてしまいました。 在宅勤務をするか出勤して仕事をするかは、自分で判断しなきゃいけないんですよ。自分で決めることができて、ようやく未来に進めるんだと思います。

シェーパースさん そういう判断を自らできる人にいかに入社してもらい、長くステイして、共に未来に向かって努力を続けてもらうことが今後のポイントですね。

山本さん そのステイをしてもらうっていう感覚が日本の経営者には大切だと思いますね。その感覚がないと、上下の関係に誤差が生じてコミュニケーションが取れなくなっちゃう。相手に対してやっぱりフレンドリーじゃなきゃいけないし、相手の立場を考えなきゃいけないのも実はSDGsの考え方と同じことで、大事なこと。それに長く続いてきた会社ほど個性だとか個人の能力、判断を組織の中に入れてこないと成長できないんですよ。

シェーパースさん ドイツでもモチベーションについての考え方が変わってきて、若い世代はフラットな組織を求めて、収入より個人としての自由を評価するようになってきています。アウディジャパン社内でも今回オフィスレイアウトを変えて新たな環境を作りました。言葉だけじゃなくてハードを変え、ヒエラルキーも一切なくすことで、未来のことを怖がらず、メッセージを発信できる後押しになることを期待しています。

山本さん とにかく目的は変化でしょう。今までと同じことをやっていても未来に続かないってことだけは確実にわかった。アクションとして何をするか。見据えるのは未来であり、改革のために思い切った決断をしないといけないことも出てきます。でもその時に必要なのがやっぱりコミュニケーションです。人はいつでも生まれ変われるし、未来はいくらでもゼロからスタートできると思うけれど、それをするにはものすごい能力や体力、時間も必要です。変化を支えるためにも、やっぱりコミュニケーションは欠かせないんです。

シェーパースさん そうですね。たとえモチベーションが落ちることがあったとしても、いろいろ経験して次に生かせばいい。そういうコミュニケーションをしっかり取ることが、社内全体のカルチャーチェンジにもつながっていくと思います。

>>>後編に続く

今回乗ったクルマはコチラ

Audi e-tron S

Audi e-tronはアウディ初の電気自動車として誕生した。走行時にCO2を一切排出せず、静音性に優れる一方、力強いトルク感やリニアな加速、低重心がもたらすハンドリングなど走る楽しさも損なわない。日本市場では2024年までに15車種のe-tronを様々なカテゴリーに導入予定。写真のAudi e-tron Sは、電気自動車e-tron初のSモデル。3基のモーターと電動quattro四輪駆動によるスポーティな走りとクリーンな走行性能、そして静粛性を実現した。全長4,900mm×全幅1,975mm×全高1,630mm、最高出力370kW、最大トルク973Nm、一充電走行距離415km
Audi e-tronスペシャルサイト

 
マティアス・シェーパースさん

マティアス・シェーパースさん

1975年東京生まれ。国際基督教大学卒業、経営学(MBA)修士。2002年にアウディ(ドイツ)入社後、アウディジャパンに出向。ロジスティックをはじめ、東南アジアや日本のマネジャーを務め、アウディ フォルクスワーゲン台湾社長から昨年アウディ ジャパン社長を経て、今年フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長と現職の兼任に。



山本嘉一郎さん

山本山 代表取締役社長 山本嘉一郎さん

1959年生まれ。学生時代にお茶の製造工場でアルバイトを経験し、1982年大学卒業と同時に家業へ入る。2008年に現職就任。基幹商品のパッケージデザインや旗艦店のリニューアル、さらには業務プロセス改革など、一連のリブランディングを推進する。趣味はゴルフやドライブ、写真撮影など。


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