知的で素敵なLUXURY LIFE 50の実例
膨大な情報に溢れる現代。経験と知識をどう得て、賢く楽しむか? を、衣食住遊~学・整まで、50の実例に。日常に“光=LUX”を与えてくれる新しい価値観をぜひご覧ください。
[実例29/酒]
時間と温度が奏でる円熟味 究極の “熟成日本酒”
伝統技術と感性が生み出す日本酒の多様性を知る

熟と燗 代表取締役会長 御立尚資さん
1957年生まれ。京都大学文学部卒業。ハーバード大学にて経営学修士を取得。日本航空、BCG日本代表を経て、楽天グループほか数社の社外取締役、大原美術館理事を務める。
ビジネスと文化の両立を目指す 熟成日本酒にはその可能性がある

日本の伝統文化、日本酒を世界へ発信している御立尚資さん。元BCG日本代表を務めた経済人が、なぜ日本酒の世界に?
「BCG時代に、グルーバル経営会議のメンバーとして世界中を周りましたが、どこへ行っても会食では熟成ワイン。なぜ、日本酒がないのか? 日本人として、もどかしさを感じていたことがきっかけでした」。
ワインはともかく、日本酒にも熟成の世界があることを知る人は、日本人といえども、まだ少数派だ。しかし、熟成日本酒には無限のポテンシャルがあるという御立さんは、そのビジネス的な魅力について、「熟成日本酒は、投資用語で言うアービトラージの余地が非常に大きい分野だと思います。つまり、その本質的な価値がまだまだ世の中に知れわたっていないのです」。
そして今、熟成酒の新境地を切り拓こうとしている。「熟成酒に対して明確な哲学がある蔵と協業してオリジナルの熟成酒も作っています。寝かせるほどに円熟味が増し、まろやかな口あたりを愉しめるのです」。

今、買えるエイジングした熟成日本酒

神奈川県、泉橋酒造とのオリジナル。2006年の日本酒を常温熟成させることで、口当たり滑らかに。720ml。1万5000円(熟と燗)

千葉県、木戸泉酒造とのオリジナルは、1970年代の原酒に数種の古酒をブレンドした華やかで優しい味。720ml。1万6500円(熟と燗)

秋田県、天寿酒造とのオリジナルは、1997年に醸された純米吟醸酒の古酒。15~20度で開いてくる。720ml。3万3000円(熟と燗)
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[MEN’S EX Summer 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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