10月下旬、ブランパン「ヴィルレ」コレクションの新作お披露目イベントが伊豆・修善寺の老舗旅館にて開催された。このスペシャルな場所でのプレビューで拝見した代表モデルをご紹介する。

ブランパンの歴史は、1735年、創業者・ジャン＝ジャック・ブランパンがスイス・ヴィルレ村民名簿に時計職人として登録され、自らの名を冠したメゾンの創業者となったことから始まった。その歴史、なんと290年！　スイスで現在も時計作りをおこなう世界最古の時計ブランドである。創業の地、ヴィルレの静寂の自然や森への敬意を込めて、今回の修善寺という場所でのお披露目となった。

ブランパンと言えばダイバーズウオッチの開祖的名作「フィフティ ファゾムス」を代表モデルと想起するファンも多いと思いますが、今回ご紹介する「ヴィルレ」は、ブランパンの中でも“王道クラシック”を体現するドレスウォッチの代表モデルシリーズだ。

創業地の名称でもある「ヴィルレ」と正式に名がついたのは2003年。ですが、その精神、スタイル、ＤＮＡは、1983年に確立されていた。当時、最小の“コンプリート カレンダー”という象徴的モデルを発表。熟練の職人による“ユニークな”ムーンフェイズはブランドのシグネチャーモデルとなり今日に継承されているのだ。

今回の新作お披露目では、３つのアイコニックなモデルが16のリファレンスにて登場。

拝見して感じたのは、いまの時代のキーワード「クワイエットラグジュアリー」「エッセンシャルラグジュアリー」を見事に表現しているということ。

美しい秋色ともいえる文字盤。新色のゴールデンブラウンはエレガントな輝きを放つ。温かみのあるオパリンダイヤルには大人の余裕を感じる。そして、絶妙な配色で合わせたベージュやハニーやブラウンカラーのレザーストラップ。そして細部に目を凝らすと今回アップデートした点がいくつかある。洗練されたケース、スリムになったベゼル、大きくなったリューズ、再設計されたラグにより、快適さや優雅さを表現したという。12時位置インデックスのデザインを12からJB（創業者のイニシャル）へ変更したのも刷新の特徴だ。

ブランパンの王道クラシックモデル「ヴィルレ」の伝統を見事に継承しつつ、どこかモダンさを感じさせるデザインで再解釈された今回の新作。スーツスタイルに似合うのはもちろんのこと、この時季なら上質なレザージャケットやカシミヤニットにさらりと付けてみたい。

このクワイエットラグジュアリーな新作を、ぜひ店頭でもチェックしてみてください。