人と地球のための経営を目指すアウディとカルビーが見据える未来

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未来に向かって今私たちができることとは

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #4
カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO・伊藤秀二 さん《後編》

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #4

※前編の記事はこちらから
【CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #4《前編》】

SDGs経営を推進していく中で、企業はどう消費者の声と向き合うのか?

シェーパースさん

シェーパースさん カルビーさんでは脱炭素ということでいろいろ取り組まれていると伺っています。

伊藤さん そうですね。国内外の拠点で、以前からCO2削減に取り組んでおり、栃木県宇都宮市にある工場では、高効率大型ガスコージェネレーションシステムやバイオガス発電の導入も進めています。ただ意外と難しいのが物流部門で、原料も含めて、私たちの商品自体がかさ張ります。物流費の上昇に加え、効率のいい物流の仕組みを導入してもCO2削減には限界があります。期待しているのは輸送トラックの電気自動車化なんです。

シェーパースさん 確かに商用車の電動化は自動車業界でも大きな課題で、必ず話題になります。そうなった時に工場内に自家発電所があれば必要な充電もできるし、再生可能エネルギーを中心としたロジスティクスが実現できるのは大切ですね。

伊藤さん CO2削減では原料部門でも生産者に化学肥料の最適な活用を提案しています。ばれいしょを栽培するところからお客様が食べるまでをトータルに見て、どこでどのようにCO2が発生しているか。私たちや取引先、そしてお客様ができることをみんなで共同して取り組んでいます。

シェーパースさん 生産や流通の側だけでなく、消費者も巻き込んでいくというのは面白いですね。それはどのような方法で?

伊藤さん たとえばゴミ問題に対しては「折りパケ運動」というプロジェクトを行っています。これは、食べ終えた後のパッケージをそのままゴミ箱に捨てるのではなく、きちんと折りたたんで捨てましょうという提案で、指定した形に折り畳み、それをカメラで撮るとポイントがつくという仕組みです。ご家庭におけるごみのかさを減らし、使用するごみ袋の量を減らす活動をお客様とともに進めています。

シェーパースさん 私たちも車内の内装にリサイクルマテリアルを使ったり、ペットボトルを繊維にしてシートを作ることで、SDGsに向けたユーザー自身の価値観や意識変革に結びつけたいと考えています。こうした活動についてカルビーさんは消費者にどのように広めていますか。

伊藤さん やはりお客様とのコミュニケーションをとにかく増やすことが大事だと思います。私たちは、小学生を対象に、食の楽しみや、正しい食の知識を共有する出前授業をやっていて、最近では学校側から環境問題に触れて欲しいといった要望もあります。またお客様相談室では、子どもたちからSDGsに関する質問を受けることも多い。むしろ子どもたちの方が強い関心があるんですね。日本でもそういった教育を浸透させ、逆に子どもから大人にという流れを作っていくことも重要だと思います。

シェーパースさん 発想の転換が必要であると同時に、SDGsへの取り組みはまず理解を深め、共感してもらうということかもしれませんね。

伊藤さん 先程お話した栃木県宇都宮市で取り組んでいる「清原工業団地スマエネ事業」も、業種の異なる複数事業者が連携して地域全体での最適化を追求した取り組みとなっています。これも自社だけでという発想ではなく、企業の壁を越えていく仕組みにしないとできませんでしたし、それがすごく大切なんだと思います。自動車メーカーと食品メーカーもまったく関係ないということではなく、つながっていくことで問題解決できる気がします。

シェーパースさん そうです。SDGsは仲間作りですからね。

伊藤さん そこが大切ですよね。実際にやっていくにはいろいろな方法論がありますね。共創して、前に進むことがとても重要だと思います。

Future is an attitude、未来に向かって今私たちができることとは?

シェーパースさん 自動車業界は、どちらかというと政治が方向性を示し、それに紐づいて業界やサプライヤーが変わっていく傾向があります。社会的なエネルギー問題やインフラ整備が関わってくるためですが、その前に自分たちが自ら率先して、サプライヤーやスタッフを含めて考え方を変えていくところが今後生き延びると思います。そこでアウディは、「Future is an attitude」というスローガンを掲げており、考え方ひとつで自分と未来は変えられるという思いが込められています。これまで約120年以上クルマを作り続け、常にチャレンジャーとして固定概念を壊して、新しい提案をしてきた歴史があります。たとえば重く、曲がりにくいといわれてきた四輪駆動を改良して世界ラリー選手権を制したり、世界で最も過酷なル・マン24時間耐久レース史上初めて、ディーゼルエンジンで優勝した歴史があります。だからこそ、電気自動車についても、その道を切り開くという自負があります。今後もプレミアムなモビリティーをいかにサスティナブルな形で提供できるかというのが我々の方針ですが、カルビーさんでは未来へはどのような展望や打ち出しをされていますか。

伊藤さん パンデミックや戦争、エネルギーの高騰などさまざまな問題は起こりますが、サスティナビリティは人類共通の目標でしょう。また企業にも利益だけでなく、人や地球のために活動すべきであるとのパーパスを掲げた経営が求められています。

シェーパースさん 賛成です。お客様もそういう企業を選ばれるし、その価値観に優秀な人材も集まると思います。伊藤社長は、次の世代の子供たちにどんな世界を渡していきたいと思われますか。

伊藤さん 産業には第一次・第二次・第三次とありますが、その関係性がいま変わってきているように感じます。技術が進化する中で、自然や農業と工業や商業の距離が広がってきています。それぞれの産業がつながり、正しく循環して新たな付加価値を創出する社会にしていくことが非常に重要だと思います。

シェーパースさん 私も自分たちの子どもやその世代に、クルマを運転する楽しさや自由なモビリティを味わえるような世界を作りたいし、作らなきゃいけないと思います。やはりクルマというのは、ロジカルだけではなく、エモーションですからね。

今回乗ったクルマはコチラ

Audi Q4 e-tron
アウディ前編

アウディの電気自動車e-tronは、グリーン電力を使用するカーボンニュートラルな工場で生産され、静粛性に優れ、力強いトルク感やリニアな加速など走る楽しさも損なわない。写真のAudi Q4 e-tronは、初のコンパクトSUVとして普段使いからレジャーや旅行など幅広い用途に応える。コンパクトなボディサイズにも関わらず、上位モデルに匹敵する室内空間をもち、余裕ある一充電走行距離も魅力だ。全長4,590×全幅1,865×全高1,630mm、最高出力150kW、最大トルク310Nm、一充電走行距離576km。599万円~※12月26日現在
Audi e-tronスペシャルサイト

 
マティアス・シェーパースさん

マティアス・シェーパースさん

1975年東京生まれ。国際基督教大学卒業、経営学(MBA)修士。2002年にアウディ(ドイツ)入社後、アウディジャパンに出向。ロジスティックはじめ、東南アジアや日本のマネジャーを務め、アウディ フォルクスワーゲン台湾社長から昨年アウディ ジャパン社長を経て、今年フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長と現職の兼任に。



伊藤秀二さん

カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 伊藤秀二さん

1957年生まれ、福島県出身。大学では経営学を専攻し、79年にカルビー株式会社に入社。工場での研修から営業、生産、マーケティングなどに携わり、2009年に代表取締役社長就任。自然の素材を活かしたものづくりに向き合い、2030年に向けて「Next Calbee 掘りだそう、自然の力。食の未来をつくりだす。」という長期ビジョンを掲げている。


撮影=筒井義昭 文=柴田 充

2024

VOL.341

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