オンロードではラングラーより軽快な走り
インテリアデザインは基本的にジープ ラングラーのものを踏襲する。
センターコンソールには、シフトセレクターとトランスファーレバーが備わっており、インパネには赤いロッカースイッチが備わる。電子制御式のディファレンシャルは、リアのみ、またはフロント&リアのロックが可能で、最大限のトルクをホイールに伝達することができる。「4L」でオフロード走行時に、車速を1〜8km/hに維持してくれるセレクスピードコントロールなども備わっており、ドライバーはアクセルやブレーキペダルの操作から解放されステアリングの操作に集中することができる。またフロントグリル内には前方の障害物などをクローズアップするオフロードカメラが備わるなど、ジープといえどもデジタル化されている。
それは安全装備においても同様で、自動ブレーキや今どきのアダプティブクルーズコントロールまで備わっている。また全長が長く、後ろが見えにくいトラックだけに、ギアを「R」に入れると、後方の様子を広角映像でモニターし、後退時にはステアリング角度に応じてグリッドラインまで表示してくれるのは、とてもありがたい。
インフォテイメントはApple CarPlayに対応。iPhoneユーザーなら使いなれたSiriを利用した音声コントロールも可能だ。頭上にはオーバーヘッドサウンドバーが備わっており、その他耐候型サブウーハーなど計9基のスピーカーが、迫力のあるサウンドを奏でる。
パワートレインは、最高出力284ps、最大トルク347Nmを発揮する3.6リッターV型6気筒 DOHCエンジンで8速オートマチックトランスミッションを組み合わせる。この8速ATがスムーズにシフトチェンジを行ってくれるので、大きくて重いボディを忘れさせるほど軽快に走る。乗り心地に関しても、ジープ ラングラーが現行型でより乗用車的なものへと大きく改善しているが、グラディエーターはロングホイールベースの恩恵もあってそれ以上に快適な乗り味を実現している。後方のベッドを見なければ、トラックとは気づかないかもしれない。
ジープ「グラディエーター」のディテールをチェック(画像4枚)
このグラディエーターが醸し出す本物感は、街中でも明らかに映える。しかし、一点気をつけなければいけないのが、3ナンバーではなく、トラックなので1ナンバー登録になることだ。税金などは安くなるメリットがある一方で、車検が初度登録は2年だが、2回目以降は1年ごとになり、高速料金も乗用車に比べて2割ほど高くなる。
そういう意味では、デザインだけではなく、やはりどう使うかで選ぶクルマといえるだろう。いずれにせよ仕事であれ遊びであれ、このクルマを使いこなしているライフスタイルがカッコいいことは間違いない。
撮影=柳田由人 編集=iconic 文=藤野太一