「SUVの名車を語る」Vol.09 Jeep Grand Cherokee/ジープ グランドチェロキー
その存在がかねてから明らかにされていたジープのフラッグシップモデル、グランドワゴニアのコンセプトモデルが公開となった。次期型グランドチェロキーをベースに、そこにさらなる高級なしつらえと、ジープでは久しぶりとなるサードシートを備えたパッケージングを与えたことを特徴としている。
ジープのサードシート付きモデルは、2006〜2010年のコマンダーを最後にラインナップから外れている。現在にその流れが引き継がれなかったのは、サードシートでのゆとりを語るには不足があった4795mmの全長、当時はスクエアなフォルムが今ほどに受けなかったことに加え、何よりもダイムラーとの提携が解消された時期と重なり、ジープラインナップにおけるリストラ対象に挙げられ、早々に姿を消していた。ちなみに、販売終了後は、稀有なジープということもあって中古価格は高騰した。
グランドワゴニアという名称は、昨今のジープのブランニューモデルであるレネゲード、グラディエーターと同様に、過去に用いられていた車名を復活させたもので、かつてのフラッグシップモデルの名称となる。
その旧グランドワゴニアについて簡単にまとめると、1962年にジープのフルサイズモデル、ワゴニアとしてデビューを果たし、兄弟車としてチェロキーというカジュアルモデルを派生(ともにフルサイズモデル)。しかし、チェロキーという名称は、日本で大ヒットしたいわゆるシカクイチェロキー(XJ型・1984年)に譲り渡し、自らはグランドワゴニアを名乗るようになり、そのジープフラッグシップの流れは、1993年に販売が開始されたグランドチェロキーへと引き継がれた。
ちなみに、当時のグランドワゴニアはサードシート付きではなかったが、ジープのフラッグシップモデルという位置づけから、新型に対してもこの名称が与えられている。