「SUVの名車を語る」Vol.08 TOYOTA LAND CRUISER PRADO/トヨタ ランドクルーザー プラド
ラグジュアリーSUVと訊くと、まずは輸入車モデルが思い浮かぶかもしれないが、国産モデルながら最近注目が高いどころか、そのファンをどんどんと増やしているモデルがある。それが、トヨタのランドクルーザー プラド(以下プラド)だ。
現行型は2009年にデビューし、プラドというサブネームが与えられてから4世代目にあたるモデルで、そう、デビューからなんと10年以上が経過したモデルだ。そもそもランドクルーザーシリーズはロングライフであることを特徴としているが、その中でもプラドにおけるライフサイクルは少しだけ長めといった感のある6〜7年だったので、このサイクルは異例。
え?この前、デザインが変わったばかりじゃない? そう思われた方も多いと思うが、現行モデルの間に2度に渡る大胆なフェイスリフトを行い、途中でディーゼルユニットを追加するなど、つねに話題を提供しており、それもあってか、現行型がこれほどまでのロングライフモデルになっていることはあまり知られていない。
プラド人気がなぜ高いのか、その理由を説明するには、まず生い立ちを紹介しておかねばならない。
誕生は、ランドクルーザー70系(今も昔もバン)からカジュアルテイストを与えられたワゴンモデルとして派生したところまで遡る。ナナマルワゴンと呼ばれたそのモデルは、エクステリアにナナマル的な硬派なテイストを残しながら、フロントにソフトなタッチ(それでも今見ると十分に硬派だが)を採用し、サイドやリアはそのままという仕立てに。
ハードウェア的にはラダーフレーム付ボディと前後リジッドサスを採用していたが、その多くをハイラックスサーフ(以下サーフ)と共用することでナナマルほどのタフさは控えられ、その分を日常における快適性に振っていた。
いま眺めると、カジュアルを狙うには勢いがないし、ヘビーデューティには物足りない、という中途半端さが目に付く。しかし、これはクロカンモデルをベースにしながら、カジュアルテイストをアピールして人気を博していたパジェロやビッグホーンに対抗するモデルとして、とりあえずとばかりに仕立てられた、そんな理由があってのことだった。