外装のデザインに負けないインテリアの作り込み
エクステリア以上に僕が気に入っているのがインテリアだ。流行りの大型スクリーンこそないものの、デジタルメーターのグラフィックや、小さなスイッチひとつにいたるまでデザイナーの美意識がしっかりと反映されているのがいい。さらに、レザーステアリングの触感やシートの丁寧な縫製、ATセレクターの握り心地といった感性領域の作り込みもかなりのレベルに達している。スペック至上主義では絶対に実現できないコダワリの積み重ねが、CX-5のインテリアに漂う得も言われぬ上質感の正体である。
そんな開発思想がもっとも如実に表れているのがドライブフィールだ。CX-5はもともと「普通に乗っていて気持ちのいいクルマ」だったが、先日の改良によってボディとシートとサスペンションに最新の知見を導入。優れた日常性にさらに磨きがかかった。今回の試乗ではかなり荒れた路面も走ったが、路面からの突き上げをガッチリ受け止め瞬時に減衰する強靱なボディとしなやかに動くサスペンションの組み合わせが、常に質感の高い乗り心地を提供。向上した静粛性、適度な軽さのなかにリアルな手応えを伝えてくるステアリング、アクセル操作にスムースに反応するエンジン&トランスミッションなど、すべてが本当によく躾けられている。
もちろん、その気になればワインディングロードをスポーティに走ることもできるというか、そこもけっこうな得意分野だが、流れに乗ってゆっくり走っていても気持ちよさを味わえるのがCX-5の魅力だ。
新機能としては、未舗装路やワインディングロードでの走りを最適化する「Mi-Drive」の採用、ラゲッジボードの上下2段分割式によるさらなる使い勝手の向上がニュースといえよう。また、「Field Journey」「Exclusive Mode」「Sports Appearance」「Black Tone Edition」といった個性豊かな特別仕様車をラインナップしているのもユニークだ。
洗練されたデザイン、上質感、ライフスタイルに合わせた提案性、使い勝手などに徹底的にこだわったCX-5は、舌の肥えた大人に似合う、日本車離れしたセンスを持つ一台だ。
今月の1台 MAZDA CX-5(画像4枚)
車両価格 267万8500円〜
お問い合わせ先
マツダコールセンター TEL 0120-386-919
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