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ハンドルをクルマに託しても得られる“駆けぬける歓び”

BMW5シリーズ・セダン(G30)
ボディサイズは全長4975mm×全幅1870mm×全高1480mm。FRや前後約50:50の重量配分などを採用する。価格は678万円からとなる。(写真は540i)

走り出してまず、さすが5シリーズというべき静粛性の高さに感心する。直噴直4エンジンにありがちな低回転域でのノイズもほとんど聞こえない。さらに驚くのは高回転までまわしたときに気持ちがいいこと。5000回転あたりまできれいに吹け上がり、その感触たるや直列6気筒さながらの滑らかさだ。252ps/350Nmとスペックだけみれば大騒ぎするほどでもないけれど、そんな数字はまったく意味がないのだと思い知らされる。

足まわりはコンベンショナルなスプリングとダンパーの組み合わせで、ピレリ製P ZEROのランフラットタイヤを履いていた。乗り心地は存外に良好で、ランフラットにありがちなゴツゴツ感などまったくない。グレードが「M sport」ではなく、「Luxury」で、ソフトなセッティングの足まわりにタイヤも18インチサイズだったことが功を奏していると思われる。もちろん「M sport」のスタイリングは捨てがたいが、筆者ならこちらを選ぶ。

そして、先述したADASの使い勝手も抜群のものだ。BMWは他社に先駆けてステアリングのハンズオン検出に静電容量センサーを使ってきた歴史があるが、3眼カメラやレーダーとの組み合わせによって、さらに精度が高まっている。ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)とステアリング&レーン・コントロール・アシストとの組み合わせにより、高速道路では右手の指3本で軽くステアリングを握っているだけで、ほぼステアリングもペダルも操作することなく東京〜御殿場間を走行した。

BMW5シリーズ・ツーリング(G31)
リアウィンドウハッチやエアサスペンションを備えたツーリングもラインナップ。荷物の重量を検知し車体を水平に保つ機能が搭載。価格は749万円から。

途中、60km/h以下の渋滞区間では、ハンズ・オフに切り替え、手離し運転もまったく不安なく享受できた。これがあれば渋滞が苦じゃなくなる。完全自動運転とはいわずとも、いつかすべてのクルマにこうしたACCが装着されれば、渋滞の悩みはきっとなくなるはずだ。

新型5シリーズがすごいのは、自らがステアリングを握って享受できるだけでなく、ステアリング操作を車両に託して得られる“駆けぬける歓び”があるということ。5シリーズはこれまで全世界で800万台以上が販売され、世界で最も成功しているビジネスセダンの1つといわれるが、あらためてその魅力を感じさせられる出来だった。

文/藤野太一 写真/ビー・エム・ダブリュー 編集/iconic

<p>ルーフはなだらかに、ホイールベースは広くすることで、居住性を高くしながらもクーペのようなルックスを実現。ラゲージ容量は530リッターとなる。</p>

ルーフはなだらかに、ホイールベースは広くすることで、居住性を高くしながらもクーペのようなルックスを実現。ラゲージ容量は530リッターとなる。

<p>最新運転支援技術を多数採用。直前に走行したルートを最大50mまで記憶し、同じルートで正確にバックできるリバース・アシストも備わった。</p>

最新運転支援技術を多数採用。直前に走行したルートを最大50mまで記憶し、同じルートで正確にバックできるリバース・アシストも備わった。

<p>世代に合わせインチアップしたインフォテインメントシステムは、Apple CarPlay に対応。Android Autoは海外では7月生産分から対応しているが、日本では未定となっている。</p>

世代に合わせインチアップしたインフォテインメントシステムは、Apple CarPlay に対応。Android Autoは海外では7月生産分から対応しているが、日本では未定となっている。

<p>スイッチパネル類をすべてハイグロス・ブラックとし、質感を向上させている。なお、523iを除く全グレードにレザーシートを標準とした。</p>

スイッチパネル類をすべてハイグロス・ブラックとし、質感を向上させている。なお、523iを除く全グレードにレザーシートを標準とした。

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