というわけなので、フィアット500をベースとした電気自動車(と言っても、中身はもちろん大きさも違うので、これまでのガソリンモデル=エンジン・チンクとは別物だ)が登場するというニュースを見て、その写真を目の当たりにしたとき、「これなら欲しい、こういうBEVを待っていた! 」と思ったものだ。
車名を500eという。クーペとカブリオレを用意するのはこれまでと同じ。全体的なイメージはまさに21世紀のファイブハンドレッド=チンクェチェントそのものだけれども、ボディサイズが少し大きくなって、ディテールも大きく変わっている。
バッテリーサイズ(=性能)は42kWhで、さほど高性能ではない。馴染みの最高出力&最大トルクで言うと118ps&220Nmで、のけぞるトルクスペックが自慢のBEVにしてはおとなしい。それでも車重は1.3トン超とバッテリーEVにしては軽めだから、絶対性能は十分ということだろう。WLTCモードの航続距離は335kmというから、実質的には270kmくらい。遠出向きではないことは確かだし、実を言うとエンジン・チンクは長距離ドライブも劇的にこなすから、ちょっと物足りなく思うファンもいるだろう。しかし! 航続距離を上回る魅力、例えばデザインは大いにあると思う。