滑らかな“カングー・ライド”もアップデート

もうひとつ、居住性に貢献している要素は、先代から大きく進歩した前列・後列それぞれのシートの質感だ。ウールライクな見た目の、スポーティで安っぽくない素材で、薄く平べったい感じがせず、ホールド感も上々なのだ。
さらにエンジンをかけて走り出すと気づくことだが、厚みを増したウインドウガラスや強化されたフロア周りの剛性と遮音性でもって、街乗りから高速道路まで、望外の静粛性すら実現している。
しかも乗り心地は歴代カングーのそれを受け継いで、相変わらず滑らか。決してストローク量の多い足まわりではないにも関わらず、低速域でも高速道路の巡航域でも、突き上げやパタパタした感触がない。ハンドリングにも、操舵に対するもどかしい遅れがなく、切れば切っただけ曲がってくれる小気味よさが健在。道を選ばずに穏やかで、速度域が上下しても一貫性を感じさせるいつものルノー・ライドが明らかにアップデートされているのだ。
ちなみに試乗車は17インチのアルミホイール仕様という、見た目重視仕様だった、よりサイドウォールの高い15インチタイヤも選べる。とはいえ大きくなったボディでコントロール性を保つには、17インチでも悪くないと思えた。しかも最後のグッドサプライズは、2000km以上を走って16km/L台の好燃費を記録したことだ。

3代目となっても、案ずるよりポジティブに接してみれば、いつも通りに吸引力も包容力も強い、カングー・ワールドが確かに広がっていたのだ。
文/南陽一浩 写真/ルノー 編集/iconic






