国産SUVの雄「トヨタ ランドクルーザー プラド」が今、注目な訳

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「緩さの中にある豊かさを愉しむ」SUVらしい乗り味

2009年のランドクルーザー プラド
2009年には現行モデルとなる4代目へとモデルチェンジ。国内ではロングホイールベースのみが販売され、ショートモデルは海外仕様のみとされた。オフロードでの極低速走行を助けるクロールコントロールや、走破性を向上させるマルチテレインセレクトなどが装着されている。

そして、2009年に現行型が登場する。プラットフォームは3世代目からの流用となるが、乗り味において激変ともいえる進化を遂げている。

オフロード走破性はナナマルほどのヘビーデューティテイストには届いていないが、クロカンモデルとしてのポテンシャルは十二分。不整地ではタイヤが外れるのではないかと思われるほどにサスペンションを伸ばし、シャシーコントロールデバイスのアシストもあって、かなり急な傾斜に凹凸路面が連続するようなシーンでも果敢に走破してしまうほど。

そして、日常においては、しなやかさあふれるフィールで、ゆったりとした乗り心地を提供。曖昧さを上手く抑え込んだステアリングフィール、扱いやすいパワーフィールなど、オン/オフのバランスを極めた。

最新モデルは改良によってその点がさらに高められており、昨今のSUVから消えつつある、SUVの乗り味そのものと言えるだろう。逆にいえば、それはスポーツカー的なアジリティをアドバンテージとするものではなく、緩さの中にある豊かさを愉しむテイスト。つまり、緩さをプラスと捉えられる人でないと、最新型プラドはオススメしない。

2013年のランドクルーザー プラド
2013年にはマイナーチェンジが行われ、より力強い外観に。サスペンションの改良によりオンロードの走行安定性や乗り心地を向上させている。4輪トラクションなどの各種情報を表示する、マルチインフォメーションディスプレイも装着された。また、2015年の改良では、高効率ターボを備えた2.8リッターディーゼルエンジンを国内で初めて搭載した。併せて、2.7リッターガソリンエンジンには6ATが組み合わせられている。

パワーユニットはガソリン(2.7リッター直4と4リッターV6)のみだったが、2015年の改良でディーゼルエンジンを復活させ、経済性とパワーのハイバランスをアドバンテージとした。そして、2020年8月にディーゼルエンジンの出力を向上し、先進安全装備を充実させるという一部改良が行われた。

ちなみに、ディーゼルユニットについてはターボチャージャーのサイズを大きくすることで、最高出力を177psから204psへ、最大トルクは500Nmまでアップさせており、もはやパワーフィールにおいて不足ないレベルへと到達させている。

ボディはロングのみで、乗車定員は5、7名を設定していることもトピック。ちなみに、先にも紹介したように、現行型はフルモデルチェンジレベルといわんばかりのフェイスリフトを2度行っているが、実はサイド、リアは大きく変えていない。

2020年のランドクルーザー プラド
2020年には一部改良が施され、安全装備をさらに充実させた。プリクラッシュセーフティの検知範囲拡大、レーンデパーチャーアシスト/ロードサイドアシスト/先行車発進告知機能を標準化している。

最新モデルのパワーユニットは改良を受けたディーゼルのほか、リーズナブルな価格の2.7リッター直4。販売価格帯は362万1000円~553万円と、価格が大幅に上昇していく昨今のSUVと、その内容や質感まで比較するとリーズナブル感すら覚える。

先に触れたようにモデル末期であることは確実で、新型が気になるところだが、次期型はさらにアッパークラスへと移行し、さらなる価格上昇が予測され、そもそもプラドは中古車相場が高値安定ということもあり、この最新モデルを今、購入しても後悔は少ないはずだ。それどころか、新型に乗り換えることになったとしても、かなりの価格で下取りされることは確実であり、後悔どころか、むしろ満足してしまうことすら予想される。

個人的にはパワーユニットは、パワーに不足がないだけでなく、ゆとりともいえるフィーリングが存在するディーゼルを選びたい。それでいて、ガソリンモデルより燃費性能に優れているという後押しもあり、さらにユーザーに愉しさ、歓びを与えてくれるからだ。

そうそう、このプラド、決して小さくはないボディサイズだが、都会を離れると実は丁度いいサイズと評価されるとか。また、サードシートが付いていることから、アンチミニバン派からの受けもいいとか。そして何よりも、アイポイントが高いこと、ラダーフレーム付きのボディから感じる安心感(衝突安全性)については、奥様方からの支持が高いところだとか。そんな誘い文句を口にしながら、ディーラーを訪れてみることもオススメしたい。

文/吉田直志 写真/トヨタ自動車 編集/iconic

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