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コンパクトなら基本を同じくする人気MPVで

かようにデビューから6年近く経っているとはいえ、「シトロエン グランドC4スペースツアラー」は、フランス的ファミリーカーの指標といえる存在だ。とはいえ7人乗りでなく、もう少しコンパクトな5人乗りでも事足りるのなら、昨年末から大人気が続く「シトロエン ベルランゴ」および「プジョー リフター」もお勧めだ。

シトロエン ベルランゴ

シトロエン ベルランゴ
日本正式導入を前に、2019年末にデビューエディション(325万円)が販売された「シトロエン ベルランゴ」。リフター同様にスライドドアを採用する。

プジョー リフター

プジョー リフター
両側にスライドドアを備えた5人乗りMPVの「プジョー リフター」。プジョーの他モデル同様に、小径ステアリングなどを備えたi-Cockpitを採用する。デビューエディションが販売され、価格は336万円。

ミニバン的シルエットにルーフレールなどSUVライクな装備を付けたベルランゴ&リフターは、シトロエンとプジョーでバッジは異なるが基本的に兄弟車のMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)だ。前述のシトロエン グランドC4スペースツアラーと共通プラットフォームを用いるが、全長は4.4m強でホイールベースも2785㎜と55㎜短く、通常の2列5人乗り仕様となる。サイズもクラスも異なるが、国産車でいうスズキ ハスラーに近い存在の、フレンチ解釈と考えていい。

シトロエン ベルランゴのインテリア
インテリアはC3などと基本を同じくするデザインだが、シフトはダイヤル式でセンター部がすっきりしている。ラゲージ容量はリフターと同様、ラゲージ部天井に60リッターのシーリングボックスが備わるのも同じ。

ベルランゴとリフターはインテリアの装備が少し異なり、後者にはセンターコンソール収納があって、プジョー独特の小径ステアリングと、それと重ならずに視認できるメーターを採用する。いずれこの2台がユニークなのは、巧みなスペース活用による収納の多さだ。単にポケットが多いとかいうのではなく、どの乗員からもアクセスしやすく実用的な収納が、車内に巧く分散配置されている。ほぼ立方体の荷室の天井側に設けられ、後席からも荷室側からもアクセスできる吊り収納など、細々した遊び道具をもすっきり収める実用性は、造り手も同じく遊んでいるからこその発想といえる。

プジョー リフターのラゲージ
リフターのラゲージ容量は約597リッターから最大2126リッター。タイヤハウスの出っ張りもなく使いやすい。リアオープニングガラスハッチを採用するなど、日常の使い勝手を高めている。

パワートレインは両者とも1.5リッターディーゼルの130ps/300Nm仕様に8速ATが組み合わされる。鷹揚だが正確なハンドリングも似ているが、リフターの方がややスポ―ティ、ベルランゴの方がマイルドな感触の違いはある。

この「BlueHDi130」と呼ばれるディーゼルは、欧州車のディーゼルとして最新世代に属し、トルクの力強さに、振動の少ないスムーズな回転フィール、鼻先の軽さまで、完成度の高さはピカイチ。燃費は未公表ながら、同じディーゼルを採用して似た車格のプジョー308SWが高速道路モードでの数値を22.6km/lとしており、空力で譲る分を差し引いても20km/lは堅そうだ。

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