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欧州スタンダードを「真芯で捉える」

プジョー308

プジョー308
プジョー 308
プジョーの大黒柱ともいえるCセグメントハッチバックの308。SWと呼ばれるワゴンタイプや、ハイパフォーマンスモデルのGTi by PEUGEOT SPORT(451万2000円)も用意される。価格は289万2000円から365万6000円。

日本で今買える現行世代のフレンチ・コンパクトの中でも、欧州スタンダードを真芯で捉えている一台はプジョー308、それもBlueHDi150という1.5リッターディーゼルの仕様だ。欧州Cセグの永遠のベストセラーといえばVW ゴルフだが、308(正確には2世代目)は2014年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲って以来、ゴルフを脅かすオルタナ勢の筆頭であり続けている。

どのメーカーも、Cセグ内でミニバンやSUVといった派生ボディが増えてハッチバック需要は相対的に喰われた。その中で、質感の高いデザインと実用性、スポ―ティネスと快適性といった、コンパクト・ベルリーヌならではの資質を、余計な演出で盛るとかではなく、凝縮して見せたところがウケているのだ。

プジョーのi-コクピット
小径ステアリングとその上から見るメーター(ポップアップインストルメントパネル)を備えたプジョーのi-コクピット。デジタルタッチスクリーンも備えた。

その秘密は、「EMP2」というプラットフォームによる優れたシャシー性能にある。軽量かつ低重心で、同セグメント他車よりアタマふたつほどハンドリングでは抜きん出ている。さらに軽快さを際立たせるのが、プジョー独自の「i-コクピット」による小径ステアリングと、ディーゼルなのに鼻先の重たさを感じさせないBlueHDi150というパワーユニットだ。

そもそも日本に輸入されている欧州メーカーのディーゼルは2リッターが中心で、1.5リッターという小排気量がSUVではないボディに載っているのはプジョー308ぐらいのもの。元より軽いボディに小気味よく力強いトルクを、プジョーらしい強靭なシャシーで受け止めるのだから、その動的質感の切れ味と奥行きたるや、ちょっと他にない。

これだけ電動化とサステナブルが叫ばれる世相の中で、ディーゼルってどうなの? 的な声もあるだろう。だが欧州でも元のエネルギー量から引き出せるアウトプット効率、無駄の少なさにおいて、大排気量ガソリンと違って小排気量ディーゼルは、温暖化ガス削減の有力なレバレッジであり続けている。

元より原油を精製したら3分の1から半分は軽油なのだから、日本ではまだディーゼルの普及は頭打ちどころか、進むべきものなのだ。ちなみに308には1.2リッターターボのガソリンエンジンも用意され、パワー感はディーゼルに譲るが、走りの軽快さと切れ味では上手をいく。

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