“中庸”なので飽きることなく長く乗れる
よくフランス車は「お洒落」とか「個性的」と評されるが、今や国産車のプレミアム系やSUV、軽自動車を含むハイト系の方が、よほど個性的でどギツいデザインを採用していることが多い。
欧州でスタンダードな生活車たるハッチバック車は、「欧州コンパクト」とひと括りにされるが、じつはサイズ感で3つに分けられる。
プジョー308やルノー メガーヌ、フォルクスワーゲン ゴルフ相当の欧州Cセグメントは、フランスでは俗に「コンパクト・ベルリーヌ」と呼ばれる。それよりひと回り小さい全長4mほどのシトロエンC3やルノー ルーテシア、プジョー 208にVW ポロといったBセグメントは「コンパクト・シタディーヌ」だ。ここまでは2ボックスの5ドアで、日常の使い勝手でも万能選手的と考えられている。
さらに小さなVW up! やルノー トゥインゴ、フィアット 500といったAセグメントは、単に「プチット・シタディーヌ」と呼ばれ、街乗り比重が強まる。
ルノー メガーヌ
“アウトバーン立国”のドイツほど直線番長志向でもなく、イタリアなどの南欧ほど街でのキビキビ感を求めるでもない、ゆえにフランスのコンパクト・ハッチバックは欧州車としてはつねに中庸といえる。逆にいえば、それゆえに層も厚く、尖り過ぎてもいないので、長年にわたって飽きることなくつき合いやすい。