3列目を用意したコンパクトSUV
国際試乗会のスタート会場であるスペインのマラガ空港に用意されていたのは、縦桟のパナメリカーナグリルが特徴的な「GLB 35 4MATIC AMG」だった。最高出力306ps、最大トルク400Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンに8速DCTを組み合わせる。4WDシステムは、路面状況に応じて前後100:0から50:50にまでトルク配分するAMG パフォーマンス4マティックで、サスペンションは電子制御のAMGライドコントロールに、オプションの21インチタイヤを装着したラインアップ中、最強のモデルだ。
SUVにありがちな腰高感もなく、運転が楽しい。また大径タイヤを履いているにも関わらず、意外なほどに乗り心地も良かった。ステアリングフィールやアクセルレスポンス、電子制御ダンパーを統合制御するAMGダイナミックセレクトには、「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」をはじめ、滑りやすい路面でパワーを抑制する「スリッパリー」「インディビデュアル」の5つのモードが用意されているが、市街地走行や人をのせるシーンでは「コンフォート」がいいだろう。「スポーツ」や「スポーツプラス」は、ステアリングがシャープにダンパーはより硬く、排気音も高まりキビキビ動くようになる。これはひとりでドライブするシーンでのお楽しみモードというわけだ。
オンロードは楽しく、オフロードの走破性も高い
途中で5シーター仕様の「GLB 250 4MATIC」に乗り換えた。こちらは最高出力224ps、最大トルク350Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンに8速DCTを組み合わせた、35AMGに次ぐハイパフォーマンス仕様だ。「コンフォート」モードを選ぶとサスペンションは路面追従性もよくしなやかに動く。速度域の高い高速道路やワインディングなどで「スポーツ」に切り替えると、ホールド感は増しながらも突き上げが大きくなることもなく快適さをキープしていた。
CLAクラスの日本仕様には2ボディタイプ&3グレード(エンジンタイプ)の用意がある。ボディタイプは4ドアクーペと4ドアシューティングブレーク(上級モデルでは廃止されてしまったから今となっては貴重だ)で、それぞれにディーゼルターボ(200d)、ガソリンターボ(250 4MATIC)、そして高性能AMGエンジン(45S 4MATIC+)を組み合わせることができる。全て2リッター直4エンジン。ちなみに、CLAクラスでは全グレードともリアマルチリンクサスペンション仕様だ。(※ラインナップは取材時のもの)
また、試乗コースの折返し地点であるマラガ郊外の山岳部では、一見するとGLBではとても走破できそうもないオフロードコースが用意されていた。そこでGLBは、一輪が完全に地面から浮いてしまうような場面でもボディをミシリとも言わせず、傾斜角30度を超える斜面をなんなくクリアしていく。Aクラスベースと侮ることなかれ。もの凄い悪路走破性を秘めている。
気になる価格は、欧州でベーシックなGLB 200の5人乗り仕様のスタートプライスが約38000ユーロ(約464万円)。日本仕様に関しての詳細はまだ明らかになっていないが、2020年中に上陸の予定だ。
文/藤野太一 写真/メルセデス・ベンツ日本 編集/iconic