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「ザ・ビートル R-Line」フォトギャラリー(写真4点)

試乗車両は「ザ・ビートル R-Line」という中間グレード。2012年にデビューしたザ・ビートルは、まずは1.2Lのターボエンジンを搭載して登場し、翌2013年に2Lターボ版が追加されたわけだが、「1.2Lと2Lの中間の、ちょうどいいやつ」が長らく存在していなかった。で、2016年11月にやっとこさ登場した1.4Lターボの「ちょうどいいやつ」が、今回のR-Lineである。

これをお読みの各位が「1.4Lエンジン」というものにどういうイメージを抱いているかは知らないが、昨今の1.4Lエンジンはターボチャージャーが付いている限り、「遅い」とか「しょぼい」といったことはいっさいない。特にザ・ビートルのR-Lineは「けっこう速いな」と思うことこそあれ、「遅いな、たるいな」みたいに感じるシーンはほぼ皆無だと断言したい。

またいわゆる乗り味というかハンドリングというか、そういった部分においても「さすがはフォルクスワーゲン!」といったニュアンスで素晴らしいものがある。高速道路での乗り心地はひたすら快適であり、直進安定性も十分以上。それでいてシビアな山坂道のカーブでは「正確無比」とまでは言わないが、それに近いニュアンスでもってつづら折りの道を駆け抜けていくことができる。

ザ・ビートル R-Line
R-Lineの場合はスポーツタイプのシートを標準装備。やや硬めの座り心地はいかにもフォルクスワーゲンらしいもので、サイズ的には決して大ぶりではないものの、「お尻と背中がぴたりと収まる感じ」が非常に心地よい。

「古さ」をどう受け止めるか

だがさすがに「古さ」は散見される。

ザ・ビートルのベース車両であるフォルクスワーゲン ゴルフは現在、「ゴルフ7」と呼ばれる7世代目が販売されており、本国ではすでに「ゴルフ8」が発売された。

それに対してザ・ビートルのベースは1世代前の(本国ベースで考えれば2世代前の)ゴルフ6であるため、いいはいいのだが、現行ゴルフ7ほどの「超絶いいモノ感」はない。

路面によっては足が若干ばたつき、そもそも現代の車では必須とも言えるアダプティブ・クルーズ・コントロール(追従式のクルーズコントロール)は付かない。その他の先進運転支援システムも「ブラインドスポットアシスト」が付いてるぐらいという、正直お寒い状況だ。

だが試乗を終えての結論は、「むしろ、そこがいいのかもしれない」という逆説的なものであった。

<p>新世代のフォルクスワーゲン車であるゴルフ7やゴルフ8と比べてしまうと、ゴルフ6がベースであるザ・ビートルの走りからは若干の粗さも感じてしまう。が、それ抜きで考えれば「優秀」であり、1.4Lであっても力不足は微塵も感じない。</p>

新世代のフォルクスワーゲン車であるゴルフ7やゴルフ8と比べてしまうと、ゴルフ6がベースであるザ・ビートルの走りからは若干の粗さも感じてしまう。が、それ抜きで考えれば「優秀」であり、1.4Lであっても力不足は微塵も感じない。

<p>インテリアは最上級グレードである「ザ・ビートル 2.0 R-Line」と共通のデザインで、ブラックに統一されたクールな空間をとなっている。各種スイッチ類などの使い勝手はさすがに良好で、「初運転」でも迷うことはないはず。</p>

インテリアは最上級グレードである「ザ・ビートル 2.0 R-Line」と共通のデザインで、ブラックに統一されたクールな空間をとなっている。各種スイッチ類などの使い勝手はさすがに良好で、「初運転」でも迷うことはないはず。

<p>4人乗車時の荷室容量は310L。後席を倒せば最大905Lまで広がるは広がるが、基本的にはデザイン優先の車ではあるため、荷室の使い勝手はそうほめられたものではない。</p>

4人乗車時の荷室容量は310L。後席を倒せば最大905Lまで広がるは広がるが、基本的にはデザイン優先の車ではあるため、荷室の使い勝手はそうほめられたものではない。

<p>ちょっとした抜け感が出てきたザ・ビートルの乗り味とデザインは、意外と再評価されるのではないか。</p>

ちょっとした抜け感が出てきたザ・ビートルの乗り味とデザインは、意外と再評価されるのではないか。

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