京都・祇園で60年の女将が語る「一見さんの心得、祇園の作法」

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時間をかけて築いて行く”信用”という主客の粋な交流

「東京の遊びが粋(すい)なのに対して、京都は雅(みやび)と言う言葉が合いますね。芸妓はん、舞妓はんがいはって、三味線の音が聞こえてこそ祇園です」と語るてる子さん。10代から花柳界に身を置き、祇園一筋、数多くの財界人・著名人から愛されてきた。

てる子

てる子さん

1937年京都府生まれ。16歳で舞妓、19歳で芸妓に。お茶屋「京屋」を受け継ぎ、祖母、母と三代続けてお茶屋の女将を務める。現在はバー「ぎをんてる子」(紹介制)を経営。

遊び方に、男の器量が表れる

「京都の人はこわがりなんですわ(笑)。祇園では一見さんは昔から紹介がなければ何処も入れないものでした。例えばどなたかお客様を連れていくということは、連れてきた方が全部の責任を負うということ。そして旦那衆が財布を持たずに遊べるよう、昔はお茶屋さんがお店を紹介し、お客さんのタクシー代まで立て替えていたものです。盆と暮れの年2回、お茶屋さんからお客様に請求書をお送りしていました。

そうしたお付き合いの中で、代々の良いお客様がいらしてくださる。三代続くお客様もいはります。そうなるとお父様が息子さんに花街での作法を教えてくれる。本来、遊びは花柳界からはじめるもんやと思います。芸者は芸を売りますから、それに対して、どれだけ自然に遊べるか、仲居さんらへの気遣いができるか、そこに男の器量が表れるんやと私は思います」。



[MEN’S EX 2019年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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