前回の記事【ジープ・チェロキー物語 VOL.1】人気モデルはこうして生まれた
オフローダーの味を残したまま変化を続けてきたチェロキー
当時はまだ3モデルラインナップだったジープにおいてチェロキーはスタンダードに位置していたが、そのポジションを変えることなく2世代目から何ひとつとして引き継がれなかったと言えるほどのフォルムで、2001年、3世代目モデルが登場する。
実は、このモデル、あまりの変貌からか、アメリカ本国ではチェロキーではなくリバティと改名されていた。ただし、日本では、すでに日産にリバティというモデルが存在していたため、リバティを名乗ることはできず、チェロキーという名称がそのままに継続された。
このモデル、実はTJ型ラングラーをベースにストレッチした4ドアワゴンボディを与えられたコンセプトカー・ダカールがモチーフになっていると言われている。そのため、全高は約200mmアップとなり、丸型ヘッドランプや、猫招きフェンダー(手招きしているような形状のためそう呼ばれる)を採用し、ラングラーの4ドアバージョンをどこか感じさせる。
しかし、その走りはラングラーとは異なり、フロントサスペンションには乗用車に使われ乗り心地とハンドリングに有利とされるダブルウィッシュボーン式を採用し、オンロードにおいて特に操縦性を大幅に高めた。その一方でリアサスペンションはオフロード走破性を期待できるリジッド式を採用。実はこの組み合わせ、現在ではランドクルーザー(200系、プラド)や新型メルセデス・ベンツGクラスに採用されており、セッティング次第では硬派を名乗ることができる形式であり、この3世代目チェロキーもオフロード性能はとても高かった。
また、エンジンも、グランドチェロキーのV8/4.7Lのモジュラー版(ブロックを共用し6気筒化した)であるV6/3.7Lを採用しており、オンロードにおける走行性能は、ラグジュアリィを謳うグランドチェロキー(前後ともにリジッドサスだった)を上回るところ、特にハンドリングに関してはアドバンテージをもっていた。