5000円にして良く出来なポイントは、どこにある?
平澤:オンライン販売は、実物を触れないというのが一番のネックだと思っていたのですが、こうして実際に触れてみると、とても5000円とは思えないですね。
山神さん:生地が良いですね。糸番手も細く、同価格帯のシャツと比較するならばワンランク上と感じます。
平澤:襟型はセミワイドやボタンダウンなど、定番中心ですね。その分、台襟が高くて色気があリます。
山神さん:あまりバリエーションを増やすとコストに影響しますからね。でもイタリアンカラーをラインナップしているあたりはイタリア的なシャツへの思い入れを感じさせます。
平澤:イタリアンカラーはカジュアル用にも着られますし、今年はビジネスシャツとしても注目されていますしね。
山神さん:一番のポイントは、袖を後付けしているところでしょうか。
平澤:ホントだ、サイドシームが袖付け部分でズレてる。
山神さん:イタリアのシャツは伝統として、袖付け部が稼働しやすい後付け仕様を採用するのですが、工程数が増えるためコストが上がることもあって、日本のシャツブランドを手がける多くの工場が嫌がる仕様です。
平澤:ほかにもボタンの留め糸の烏掛けやガゼットなど要所で、イタリアの高級シャツのディテールを受け継いでいますね。
山神さん:なかにはギミックだけのものもあるようですが、イタリアのシャツの伝統を大切にしているという姿勢は理解できます。
平澤:なによりシルエットがきれいだし、これで5000円だったら十分評価できると思いませんか。
山神さん:確かにそうですね。僕のビスポークシャツを1枚仕立てる価格で、カミチャニスタのシャツを10枚買うか、そこはみなさんにおまかせします。