綿谷寛画伯の男の嗜みシネモード#10「モーニングコートの正統的装い」

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成熟した男性を目指すならそれ相応の装い術や嗜みの作法を身につけておきたいものだ。古今の映画に精通する綿谷画伯が印象に残った、映画のワンシーンから切り取りそれらを解説する。

モーニングコートの正統的装い

今月のお題 モーニングコートの正統的装い

絵と文・綿谷 寛

またまたイベントのお知らせで恐縮です。3月6日(水)〜 19日(火)までの2週間、三越銀座5階メンズ売り場にて「GINZA IVY」と題して、今どきのアイビーアイテムをフォーカス。特設コーナーを設けます。で、それにちなんでボクのイラスト原画を多数展示。また、16日(土)と17日(日)の両日、12時〜 18時まで、アイテムお買い上げのお客様各日10名様に限り、ポートレートをその場で描いてプレゼント。銀座にお越しの際はぜひお立ち寄りください。よろしくね?

正礼装も仮装もコスプレには変わりない?

あなたはこれまでの人生でモーニングコートを何回着たことがありますか?

職業が政治家(それも閣僚)、もしくは学校の校長先生でもない限り、日本の一般男性が昼間の正礼装であるモーニングコートを着用する機会はそう多くはないはず。普通に考えて花婿衣装、あるいは花婿花嫁の父親として、婚礼の際に一、二度袖を通せばいいほうではないだろうか。

かくいうボクも若かりし頃に一度、自身の結婚式で着た限り。そのときはモーニングの上着のみ貸衣装にして、ネクタイは本格的アスコットタイを購入。クラシックなグレーダブルのウエストコートとストライプト・ドレストラウザーズはビスポーク。それに神田の平和堂靴店からお借りしたグレースパッツを黒ストレートチップ靴に装着して晴れの式に臨んだ。25歳の若造にしては結構頑張った初モーニングコート姿だったと思う。あれから36年……。まさかこの春、花婿の父親として二度目のモーニングコートを着る日が来るとは(感涙)。

で、(主役はあくまでも花婿の倅なんだけど。笑)これが我が人生最後のモーニングコート姿になるかもしれないと思うと手抜きはできない、というワケで正礼装研究を兼ねて久しぶりに映画『マイ・フェア・レディ』(1964年。アメリカ)と『イースター・パレード』(1948年。アメリカ)の2本を観てテンションを上げた。

いまさら説明するまでもないオードリー・ヘプバーンの代表作の一つである『マイ・フェア・レディ』。その中で、貧しい花売り娘のイライザ(オードリー・ヘプバーン)がヒギンズ教授(レックス・ハリソン)の猛特訓によって淑女へと変身していく過程で実験の場として連れていかれるアスコット競馬場のシーンは、モーニングコート好きにはたまらない。

2024

VOL.341

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