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地震の影響で地盤が歪んだり、陥没するのは周知の通りだが、こうした土地を再建して行くためにはスクラップ&ビルドが必要になる。熊本市内では復興の新たなディレクションとして昔の佇まいを遺し、趣きを新たにするリノベーションが注目を集めている。

熊本城が、再び下通りから見られるようになった2018年の夏は市民の間に歓喜の声が湧きあがったという。そしてまた2018年1月に誕生した「テラス」は新しい熊本スタイルを提起した。

新しい熊本のスタイルをつくるリノベーション

熊本市の中心に位置する上通りの路地をちょっと入った所に趣溢れる洋館がある。大正時代に建てられたとする建物は、もともと弁護士事務所として使われていたもので、教会建築を彷彿とさせて美しい。建築家は現在調査中とのことだが、どうやら欧州の著名な建築家の手によるものであるらしい。

新しい熊本スタイルを作る取り組み
特に夜間照明が点いた夜のエントランスは実に美しい。


熊本市の一等地に長く空家として置かれていたので、多くのデベロッパーがマンションや商業施設など様々な提案をしたというが、オーナーが首を縦に振ったのは「TRUST AND FEELINGS」の久保貴資さんが提案したリノベーション。建物に寄り添うように咲きほこる肥後六花をそのままにする提案だ。

新しい熊本スタイルを作る取り組み
「TRUST AND FEELINGS」久保貴資さん


久保さんはこの地域で不動産業者を営んでおり、下通の商業ビル用地の開発から運営、オフィス、テナントの仲介やマーケティングなども手がける熊本生まれ育ちの肥後っ子。設計監修は「The Archetype」を主宰する荒木信雄氏。荒木氏は、廃校になった小学校をリノベーションした吉本興業東京本部など、クライアントには国内外で活躍するクリエーター、アーティストのほか、個人から企業までと幅広い繋がりをもつ建築家である。実は荒木氏も熊本の出身。どうしても熊本の人達だけでやり遂げたかったという久保さんの思いをカタチにした。

リノベーション前の室内

リノベーション後の「テラス」店内

修復のため街から眺めることができなかった熊本城がこの夏再び鎮座した。

修復のため街から眺めることができなかった熊本城がこの夏再び鎮座した。

2016年3月、お洒落道場外伝の取材時に撮った熊本城。

2016年3月、お洒落道場外伝の取材時に撮った熊本城。

震災直後の熊本城。

震災直後の熊本城。

今回(2108年9月)訪れた熊本城の外壁の様子

今回(2108年9月)訪れた熊本城の外壁の様子

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