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次に選んだ靴職人の道

挫折があった一方で、中川さんは洋服のお直しには自信があり、手を動かす仕事は楽しいと感じていた。そんな自身の気持ちもあって、中川さんは26歳で靴職人の道へ進むことになる。

「デザイナーになる夢が破れたあとでしたから、正直に言うと靴修理の会社に就職したときは、前向きな気持ちではありませんでしたね」と語る中川さんだが、仕事の中には喜びを感じる場面があった。

運よく、中川さんが配属されていたのがオールソール(靴底の全面張替え)の担当。

「仕事をしていると、100足に1足くらいチャーチなどの高級靴が回ってくるんです。そのころ、雑誌で靴の構造については情報を得ていましたけれど、やはり実物を見られるのは感動でしたよ。知識としてしか知らなかった高級靴を自分の膝と手の中で見て、バラして組み上げられるわけですから。『本当にコルクが入ってるんだ』なんて思ったことも覚えています」


コラム:工場に潜入!職場を拝見

中川さんの仕事風景や愛用の道具をご紹介。普段見ることのできない作業の様子をじっくりとご覧あれ。

新たに取り付けるヒールの釘打ち作業の様子。

新たに取り付けるヒールの釘打ち作業の様子。

ヒールに打つ釘の数は靴によって異なる。たとえばエドワード グリーンでは片足で23本の釘打ちが必要となる。

ヒールに打つ釘の数は靴によって異なる。たとえばエドワード グリーンでは片足で23本の釘打ちが必要となる。

靴底を全面的に張り替えるオールソールの作業風景。「大手術なので、残っているパーツに負担をかけないよう、特に気を配ります」と中川さん。

靴底を全面的に張り替えるオールソールの作業風景。「大手術なので、残っているパーツに負担をかけないよう、特に気を配ります」と中川さん。

コンパクトな作業用の椅子と靴を固定する金属の作業台。

コンパクトな作業用の椅子と靴を固定する金属の作業台。

作業道具。左からニッパ—、くい切り2点、ピンサー、ハンマー。くい切りは釘の頭を切るためのもので、ピンサーは釘を引き抜くときに使われる。

作業道具。左からニッパ—、くい切り2点、ピンサー、ハンマー。くい切りは釘の頭を切るためのもので、ピンサーは釘を引き抜くときに使われる。

英国製のラスティングピンサー。先端で釘を引き抜くほかに、突起がハンマーの役割を果たす。写真のものは英国のシェフィールド製であることを示す刻印入り。「シェフィールドは金属製品の産地。日本製の修理道具もありますが、シェフィールドの刻印があると、やっぱり気分が高揚します(笑)」。

英国製のラスティングピンサー。先端で釘を引き抜くほかに、突起がハンマーの役割を果たす。写真のものは英国のシェフィールド製であることを示す刻印入り。「シェフィールドは金属製品の産地。日本製の修理道具もありますが、シェフィールドの刻印があると、やっぱり気分が高揚します(笑)」。

英国調の正統派のスーツも着こなす中川さんだが、作業着はやはりサマになる。ユニオンワークスの作業着はサウンドマンとのコラボによるオリジナルで、店舗やオンラインで販売されている。

英国調の正統派のスーツも着こなす中川さんだが、作業着はやはりサマになる。ユニオンワークスの作業着はサウンドマンとのコラボによるオリジナルで、店舗やオンラインで販売されている。

この日の足元はアンソニー クレバリー。

この日の足元はアンソニー クレバリー。

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