ゴルフトゥーランのボディとエンジン(写真3枚)
むしろ、大人数を載せてもモリモリと走るディーゼルならではのトルクの太さ、そして燃費のよさをひたすら享受したいのなら、ティグアンTDI 4モーションと同じくMQBプラットフォームに拠るモノスペース、トゥーランにも同じ2Lディーゼル150ps・340Nmが今回、採用された。7人乗りの「トゥーランTDI」だ。
カタログ燃費は1割強ほどティグアンTDI 4モーションを上回るし、FFの2駆ゆえにハンドリングも輪をかけて軽快。6速DSGの淀みなく黒子に徹した仕事ぶりも、好印象だ。
ゴルフトゥーランのインテリア(写真5枚)
惜しむらくはティグアンTDI 4モーションと同様に、走りの質感が高いだけに無難に過ぎると感じてしまうインテリアだろう。2列目シートは前後スライド量も大きいし、3列目や助手席シートまで含めたモジュール性も高いが、快適性という面では必要十分は確保されているものの、物足りない。トゥーランのそれは、ビジネスホテルのようというより、一室を数台のベッドでシェアするようなドーミトリー風の快適性といえる。
とはいえマルチ・パーパス性という点で、トゥーランはデビュー後3年近くを経た今も高いバランスを誇れる一台だし、ディーゼルが加わったことで、シュアな走りや使い勝手や実燃費といった使用コスト・パフォーマンスの高さという、その本質的な輝きが増すことは間違いない。インフォテイメントや駐車支援システムなどのパッケージ込みで約450万円というプライスとなる。


※表示価格は税抜き
撮影/阿部昌也 文/南陽一浩 構成/iconic