
何だかんだと言っても圧倒的な積載量と立体駐車場にも入る利便性は大きな魅力。トレンドに流されず、自己主張ができる魅力的な3台+αをオススメする
前回のスポーツセダン編に続き、今回はステーションワゴンを取り上げる。このステーションワゴン、もともとは商用車がベースだったこともあり1990年代まで日本国内では車種が少なく、市民権を得るまでに至らなかった。しかし、その後2000年にかけて起きた”RVブーム”に乗り、ミニバンとともに市場を拡大。国内市場を見てみると1990年頃の販売台数が19万台ほどだったのに対して、2000年には61万台にまで拡大している。最もミニバンに関して同じ期間で見ると8万台が97万台まで拡大していることから勢い自体はミニバンに軍配が上がる。
各自動車メーカーもこのブームに乗って数多くのモデルを市場に投入してきたが、人々のライフスタイル&ステージの変化、もう少し嫌みっぽく言えば「すぐに飽きてしまう!?」日本人の悲しい性も手伝って市場自体は縮小傾向、とくに国産車ではラインナップも減少しているのが現実だ。
しかし、ステーションワゴンの魅力はやはりセダンやミニバンでは味わえない独自の世界がある。何よりも現在のステーションワゴンはセダンをベースに開発していることから走りの楽しさなどはセダンと同様、それでいて積載スペースは圧倒的に広く、都市部の立体駐車場などにも容易に入庫できるなどのメリットがある。
実際、ステーションワゴンを使いこなしている人に話を聞くと、自分のライフスタイルが変化してもクルマ自体のバーサタイル性(汎用性や用途の広さ)は変わらないとのことで「猫も杓子もステーションワゴン(失礼)」の時代を乗り越えたからこそ、本当にクルマのことがわかって、なおかつ気に入って乗り続ける(乗り換える)人も多いそうだ。
前述したように人々のライフスタイル&ステージ、さらにトレンドの変化によって、昨今ではやはりSUV、細分化するとクロスオーバーSUVが人気であることは誰の目にも明らかだ。この種のクルマもバーサタイル性に優れていることは間違いないし、高い着座感を気に入っている人も多い。だからこそ人とは違いながらも”通”のクルマを選びたい。前回のスポーツセダンでも触れた「ウンチクが語れる」クルマを3種類+α選んでみた。ただしベタベタの王道は最後のαに任せるとして、まずは「こんな良いクルマがあったのか」と思える3台を紹介する。