外しの美学を備えたステーションワゴン3選+α
マツダ アテンザワゴン
実はセダンと異なる専用ボディ!(写真3枚)
欧州では「MAZDA6」の車名で販売されるアテンザが日本に導入されたのは2012年11月のこと。これだけ聞くと「結構モデルとしては古いのでは?」と思う人も多いことだろう。
しかし昨今のマツダのクルマ作りは「その時に合った最新の技術を車両にフィードバックする」ことでクルマ自体の鮮度を常に高めているのが特徴だ。アテンザも考えは同じで過去は2014年に、そして直近では2018年5月に”大幅改良”を行っている。
マツダは現在マイナーチェンジという言い方をしていないが、そこには前述した理由、言い方を変えれば哲学が存在しており、見せかけのマテリアル変更程度ではなく、技術的なアップデートなど注目点は多い。
とくに今回の改良ではエクステリア/インテリアともデザインを変更。エクステリアはフロントグリルのデザインが刷新されたことはひと目でわかるが、通常であれば変更しない(コストがかかるから)ヘッドランプの造形まで変更する徹底ぶり。
一方でインテリアもインパネやドアトリムの造形のほか、シートはデザインを一新。グレードに応じて快適性を向上するシートベンチレーションも搭載した。またマツダコネクトに代表されるディスプレイは従来の7インチから8インチに大型化、メーター内のマルチインフォメーションディスプレイも7インチ&高精細化したり、上位モデルにはナッパレザーや本杢(ほんもく)パネルを採用したりするなど上質感も向上した。
走りの方も先行するCX-5&8同様に2.2リッターのクリーンディーゼルの出力等を向上、またここは大きなポイントだが静粛性が大きく向上している点も特徴と言える。当然、先進安全機能もレベルアップしている。
実はアテンザワゴンをチョイスした最大の理由はそのボディサイズにある。セダンのホイールベース2830mmに対して、ワゴンのホイールベースは2750mmと短い。室内長もおのずと1960mmに対し1930mmとなる。しかしワゴンはラゲージ容量が506リットルとセダンより32リットルも広くなる。より流麗で伸びやかなデザインを強調するセダンのデザインは魅力的だが、わざわざ使い勝手も含め、クルマの骨格のひとつであるホイールベースまで変更するというこだわりは昨今のマツダの特徴だ。
定番の輸入車ワゴンも良いが、”メイドインジャパン”のアテンザは世界に誇れる魅力的なデザインと走りで十分勝負ができるクルマに仕上がっている。