新時代に即した靴・鞄選びの新基準を確立する50のヒントを厳選。ここから、あなたに最適なスタイルを完成させる糸口を見出してほしい。
【hint 22】
ストレートチップこそ最高の最高を
装いのカジュアル化に伴い、ストレートチップはドレス靴の基本から“勝負の一足”に変わりつつある。だからこそ、最高の最高を突き詰めてビスポークに挑戦してみては。日本を代表する作り手の一足を比べてみよう。
変幻自在の造形美で魅了
Spigola(スピーゴラ)
天性の才能に長年の経験が加わり、スピーゴラ・鈴木幸次氏の靴作りは唯一無二の境地に達している。スラリとした細身からどっしり重厚な靴まで、その作風は驚くほど幅広い。それでいて、どんな靴を作っても一貫した“スピーゴラらしさ”がある。美意識を確立しているからこそ、変幻自在な造形が可能なのだ。注文主からすれば、自分の理想を体現してくれる最高の作り手なのである。価格は要問い合わせ(スピーゴラ)
\ こんな作風も! /
力強いラウンドトウも製作。同じストレートチップでも表情がガラリと異なる。また、スピーゴラのスペシャルティといえるのがクロコ靴。あえて斑の大きい革を使い、ダイナミックに仕上げている。
世界を制した圧巻の流麗さ
Orma(オルマ)
普段は大変物腰柔らかなオルマ・島本 亘氏だが、ひとたび靴作りに向き合うと鋭い眼光が輝く。その研ぎ澄まされた芸術性を雄弁に物語る一足だ。師匠・深谷秀隆氏譲りの彫刻的なフォルム、控えめにして大胆に攻めた顔つきには、ハンドメイドの醍醐味が結実。2022年にはWorld Championship in Shoemakingで1位を受賞し、その技と感性は世界が認めるものになった。価格は要問い合わせ(オルマ)
靴好きを虜にする至高の正統
Yohei Fukuda(ヨウヘイ フクダ)
欧州のトップブランドで何足と誂えてきた粋人たちが“ヨウヘイの靴は最高だ”と口を揃えて称賛。ニッポン・ビスポークを海外に知らしめた立役者が福田洋平氏である。20世紀初頭、エドワード時代の英国靴を原点とする作風は、まさに正統派。そこに独自の解釈を加え、古典に留まらないモダンな様式を築き上げている。まさに“洗練”を体現する作風だ。写真のモデルでビスポーク価格77万円(ヨウヘイ フクダ)
温もりに満ちた穏やかな調和
Koji Endo Bottier(コウジ エンドウ ボティエ)
一見してビスポークだとわかるオーラがありながら、遠藤光志氏の靴には不思議な親しみやすさがある。履く者に緊張感を与えず、気づけばつい手が伸びる温かみを宿しているのだ。丸みを帯びたトウから自然な曲線を連ねて描き出すアウトライン、あえて絞り込みすぎず、力強さを残したウエスト。素朴なようですべてが入念に計算され、調和という温度を生み出しているのだ。ビスポーク価格36万5000円〜(コウジ エンドウ ボティエ)
[MEN’S EX Summer 2026の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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