ホンダ ジェイド
5人乗りを新設定=ステーションワゴンに大変身(写真3枚)
ホンダ車は過去にも、他社が作らない斬新なコンセプトのクルマを世に送り出してきた。2015年2月に登場したジェイドもそのひとつだ。
もともとは中国市場に向けて先行投入したクルマだが、約2年後に日本でも発売を開始した。
ホンダには過去、ストリームという3列ミニバンがラインナップされていた。このクルマは5ナンバーボディに3列シートを組み込み、それでいて立体駐車場にも入る全高を持つことで大ヒットモデルとなった。
ストリームの直接の後継車ではないが、ジェイドは1535mmという全高と3列シート(ただし乗車定員は6名)を持つスポーティなミニバンとしての立ち位置だった(ホンダは厳密にはミニバンとは言っていない)。
最大のポイントは2列目シートにVスライドと呼ばれる前後スライド機構を設けることで3列目を格納した状態であれば、2列目の足元はラグジュアリーサルーンも顔負けの広さを持っていたことだ。
しかし、厳しい言い方をすると3列目はストリームに比べても緊急用のレベルは超えなかったし、価格がやや高かったこともあり販売は低迷していた。
その一方、中国で販売していた5名乗り仕様に関しては国内導入を望む声が多く、2018年の東京オートサロンでコンセプトモデルを参考出品、同年5月のマイナーチェンジ時に追加設定した。
マイナーチェンジ後は「NEW STYLE WAGON」というコンセプトで展開しているジェイドだが、やはり注目はこの5人乗り仕様である。
もともと低い全高ながら空間にゆとりがあったジェイドだが、専用の後席シートは乗り込むと厚みがあり、足元も十分に広い。さらに大型のセンターアームレストや反転テーブル&ドリンクホルダーなどを採用して利便性、快適性を大きく高めているのが特徴だ。
肝心のラゲージスペースも5名乗車時で440リットルを確保。同社のステーションワゴン専用車であるシャトルよりは少ないが、実用面では十分なレベルだ。
何よりもジェイドには1.5リッターのハイブリッドのほかにターボモデルも設定する。もともと足回りにもコストがかかっており、スポーティ仕様であるRSを新設定することで魅力が増している。ステーションワゴンというよりはスポーツワゴン的な立ち位置も他社ではあまりないので、ユニークな選択肢としてもオススメできる。