京都の街中でアートと出会える京都市京セラ美術館

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日本全国 アートと自然を愛でる癒やしの絶景美術館

心地よい空間や美しい景色のもと、思い思いにアートと向かい合う。美術館を訪ねる目的はさまざまだが、非日常感を味わいながら、心を癒やし、明日への活力をチャージする場所として美術館を楽しんでいるかたも多いことだろう。本特集では展示作品はもちろんのこと、そのロケーションや建物も一体となってアートを堪能でき、心癒やされる美術館を全国各地で探した。ご紹介する美術館は季節を問わず、いつ訪ねても、その時ならではの魅力がある。「いつか訪ねたい場所」として、まずはこちらでの美術館散歩をお楽しみあれ。

建築もアートな美術館へ

市中でアートとくつろぐ新旧が融合した憩いの場

美術館のシンボルとなる建物そのものが、アートとして一見の価値あり、と注目されるスポットが増えている。地元で時を刻んできた建物が匠の手で再生されたり、新たにできた建築が地域に活気をもたらすきっかけとなったり……。全国各地、個性豊かな建築が話題の美術館へご案内しよう。


京都・岡崎
京都市京セラ美術館

市中でアートとくつろぐ新旧が融合した憩いの場

京都市京セラ美術館
帝冠様式と呼ばれる和洋折衷でシンメトリーな建物を継承しつつ改修、増築された歴史と未来を感じる美術館。リニューアルの基本設計は館長に就任した建築家、青木 淳さんと西澤徹夫さんが担当。展覧会は本館内の北回廊と南回廊、新館・東山キューブ、本館の北西のザ・トライアングルなどで開催。毎日22時まで二十四節気に合わせて色が変わる「襲(かさね)の色目」のライトアップ(髙橋匡太さんデザイン)を楽しめる。

受け継がれる名品、空間が織りなす多彩なアートシーン

京都のシンボル的存在だった「京都市美術館」を改修、増築し、2020年春に新たな通称を得て再始動した「京都市京セラ美術館」。建物は現存する日本公立美術館の中で最も古く、1933年に建てられた。平安神宮の参道に悠然と建つ美術館は、それ自体の景観美も堪能したいもの。長年親しまれてきた姿を継承しつつ、人が自由に行き来できる開放的な場に生まれ変わり、和と洋、レトロとコンテンポラリーが美しく共存している。メインエントランス前のなだらかなスロープ状の広場や流線形のガラスで囲った軽やかなファサードを新たに設け、元大陳列室だった大空間はフリースペースの「中央ホール」に改修。ここを拠点にそれぞれの展示施設に向かうことができ、創建当初の趣を残す空間もあって、館内を巡りながら新旧のさまざまな意匠に出合える。

リニューアルを機に展覧会の内容もジャンルを広げ、新設された「コレクションルーム」では収蔵品の中から選りすぐりの名品を特集を設けて展示。新館「東山キューブ」では現代アートやコミック、建築、デザインなど、スペシャルな展覧会が目白押しだ。カフェ「ENFUSE(エンフューズ)」では展覧会とのコラボ和菓子を提供するなど、アート以外の楽しみも充実。市中にありながら喧騒を忘れさせる美術館で、アートを受け身に鑑賞するだけでなく、いたる所で多彩なアートシーンが体験できる。寺社や名庭、京都市動物園など文化と自然に恵まれた岡崎エリアの散策時、拠点にしたい美術館だ。

(上)メインエントランスから階段を上がると姿を現す大空間「中央ホール」(下)創建時の意匠が残る2階の「談話室」
(上)メインエントランスから階段を上がると姿を現す大空間「中央ホール」。天井高16メートルの旧大陳列室に螺旋階段、バルコニー、エレベーターを新設し、展示室に向かうハブとして機能。(下)創建時の意匠が残る2階の「談話室」。リニューアル前に学芸員が使用していた机、色とりどりの「トリドリ・スツール」が置かれ、東山を一望できる。

京都市京セラ美術館

住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
TEL:075-771-4334
開館時間:10時〜18時(最終入場は展覧会によって異なる)
休館日:月曜(祝日の場合開館)、年末年始
料金:コレクションルーム一般730円。企画展の観覧料は展覧会によって異なる。
● 10月1日~12月1日「GUCCI COSMOS」、
10月11日~12月22日京都市立芸術大学移転記念 特別展「巨匠たちの学び舎」を開催。

美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合あり。お出かけ前に美術館の公式ホームページ等をご確認ください。

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