ミラノが世界のデザインの都になった理由とは?(後編)

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世界が注視するデザインの街
なぜミラノは世界のデザインの都になりえたのか

「フォーリサローネ」大学施設を活用
フォーリサローネでは、当初より大学施設を活用。

>>前編はこちら

また創造的で美的革新を好むイタリアの国民性と、デザインを基幹産業として捉え、デザイン立国として生きようとする国としての戦略的な思考が、サローネを世界最大の見本市に押し上げる要因ともなった。

当初、国内のものであったミラノサローネは1967年に国際家具見本市となり、さらに併設の隔年見本市として74年にエウロクチーナ(キッチン)、76年にエウロルーチェ(照明)が開催されるなど、その規模、内容を徐々に発展していく。

90年代に入ると、出展希望業者の総数に対し、会場が追い付かず、「ウェイティング」する企業が増え続けたことから、あぶれたブランドが、店舗や大学、公共の施設など市内各所を発表の場としようとする動きを展開。これが現在のフォーリサローネ(サローネの外)につながるのだ。

「GROHE SPA」の展示
ドイツの水栓金具「GROHE」は、歴史的建造物で「GROHE SPA」の展示を開催。

近年では、このフォーリサローネでファッションや車など異業種の参入が増え、ブランディング を意識したインスタレーションやブランドの世界観やアイディアを楽しむ体感型の発表が増加。この一週間が、プロだけでなく、すべてのデザイン愛好家にとっても欠かせないデザイン発信の場「ミラノデザインウィーク」として、広く一般に知れ渡るようになった。

「ここ20年くらいの間に世界中の企業がデザインの重要性を再認識し、プレゼンテーションの場としてミラノを選ぶようになりました」(タイム&スタイル 吉田龍太郎CEO)。

「ミラノで何を発信するのか、トップデザイナーは1年先、2年先のサローネのサイクルに合わせて仕事をしています」(デザイナー深澤直人氏)。

「ポーゲンポール」は16世紀の邸宅を舞台に
ドイツ「ポーゲンポール」は16世紀の邸宅を舞台に。
「ボッテガ・ヴェネタ」インスタレーション
「ボッテガ・ヴェネタ」は カッシーナ社とル・コルビュジエ財団とのコラボレーションによるスツールを積み上げたインスタレーション。

デザインの世界では、世界中が注視するデザインの首都ミラノでの発信や評価が、なによりも重要視されるようになっていった。家具見本市を基盤にして、いつしか業種の垣根を越え、街全体がデザインの見本市会場に変わっていったミラノ。世界のデザインの潮流は、常にこの街から発信され続けているのだ。

一覧はこちら:ミラノデザインウィーク探訪

取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
www.milanosalone.com

[MEN’S EX Summer 2024の記事を再構成]
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