元サッカー日本代表・中田英寿氏に聞く「日本の伝統産業の可能性」とは?

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「にほんもの」プロデューサー中田英寿氏に訊く
日本の伝統産業の可能性

日本のもの作りを紹介するにあたり、まず我々は日本のもの作り、特に伝統産業に造詣の深い中田英寿氏に、その魅力や現状について取材した。すると知らなかった世界が、彼の言葉から見えてきた。

「にほんもの」プロデューサー 中田英寿さん
“Nihonmono” Producer Hidetoshi Nakata

What is the potential of Japan’s traditional industries?
“伝統産業の価値を、伝えるために自分がその橋渡しをしていきたい”

高校からすぐにJリーグに入り、日本のことを知らないまま21歳でイタリアへ出てしまったと中田英寿氏は、語り始めた。29歳でサッカー選手を引退後、世界中で多くの人との交流するなかで、沢山の人々から自分個人のことよりも、日本や日本文化に関して尋ねられる経験をしたことで自分が日本人であると強く意識したそうだ。そこから中田氏の日本の文化を知る試みは始まった。2009年からスタートした日本を巡る旅は、約6年半を費やして、沖縄から北海道まで北上。一筆書きのように自らの足で47都道府県を訪れた。そこから今もなお10年以上にわたり、日本酒、農業、工芸を主軸に、2000以上の場所と人を訪れている。彼の審美眼を通した日本の美しいものは、現在、ウェブマガジン『NIHONMONO』や、同名の書籍、さらにはNIHONMONOのSNSやJ-WAVE「VOICES FROM NIHONMONO」など様々なメディアで発信されている。中田氏は、自身の情報発信のきっかけについて次のように説明する。

「さまざまな情報がインターネットで入手できる時代だからこそ、すでに知られているような情報ではなく、調べてもなかなか出てこない情報を伝えることが重要なのではないかと思います。なかでも、何百年も続く伝統産業は、情報があまり出てきません。そのため、日本酒や工芸、農業にかかわる人たちを訪ね歩くようになったのがプロジェクトのはじまりです」

訪問することにこだわる理由は、実際に自分の目で職人や生産者の仕事を見て、体験することにある。例えば、農家や工芸作家の元に訪問しても、初めは何も分からないことであっても、直接話を聞き、体験することで知識が増える。そして何より、簡単そうに見える職人たちの技術力を感じることができる。だからこそ、実体験を伴う、彼の情報には価値があるのだ。また、中田氏が強く必要性を感じるのは伝統産業の世界を人々に伝える機会。「長く続く伝統産業では、家族経営が多く、生産者自身が情報を発信したり流通をコントロールすることをしてきませんでした。結果、インターネットで検索しても出て来ない情報も多く、多くの人たちに知ってもらう機会を失ってきました。知られなければ買われない。産業を衰退させないためにも、自分が生産者と消費者を繋ぐ橋渡しが出来れば、と考えました」

作り手と受け止める人をつなげるプラットフォーム

中田氏がプロデュースする『NIHONMONO』は、ウェブはもちろん、ユーチューブ、テレビ、ラジオと、幅を広げながら情報発信を続けている。興味深いのは、中田氏自身は、自分のプロジェクトを知ってもらうために活動をしているわけではない点だ。あくまで登場する素晴らしい生産者や工芸家、素材、食など、生産者と消費者をつなげていくプラットフォームづくりこそが目的だ。

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