スタイリスト四方章敬氏が教える
トラッド・スタンダードの楽しみ方
シーラカンスのごとく往年の姿を保ちながら、時代を超えて受け継がれてきた偉大なるトラッド名品。それらを今、どう活用するか? M.E.の看板スタイリストがご提案しよう。
ANATOMICA BY BIG YANK “1935 SHIRT”
フレンチアイビーを現代の感性で再現
米国ワークシャツの代表格であるビッグヤンクにアナトミカが別注をかけ、1935年当時の仕様を復刻した一着。“ガチャポケ”と呼ばれる左右非対称のポケット、前見頃を長くとった特徴的なレングス、作業時に袖の引っかかりを防ぐため剣ボロを省いたストームカフスなど、語りどころ満載のディテールも魅力だ。「シャンブレーのワークシャツにボーダーシャツ、スラックスという組み合わせは、’80年代のフレンチアイビーに倣ったもの。とはいえ、当時はシャツの裾をパンツインし、ボタンも留めて着るのが定番だったのに対し、今回はシャツをアウターとして活用しているのがアップデートポイントです。『1935シャツ』はヴィンテージを再現したゆとりのあるシルエットですので、こういう着こなし方もサマになりますね。シャツと靴下以外はモノトーンで統一し、野暮ったく見えないようシャープに合わせました」(四方さん)
四方章敬 Akihiro Shikata
Profile
本誌をはじめ、数々のメンズファッション誌や広告で活躍する大人気スタイリスト。トラッドにも深い造詣をもつ。昨今はセレクトショップとコラボした洋服作りも精力的に行い、ヒット作を連発している。
[MEN’S EX Summer 2022の記事を再構成]
※表示価格は税込み