PR
50年前、新たなる価値を創造したロイヤル オーク
今年、誕生から50年を迎えたオーデマ ピゲのロイヤル オーク。ラグジュアリースポーツウオッチの先駆として、この50年、変わらぬデザインを維持し、今なお、世界中の時計愛好家の垂涎の的となっている。今回、東京・六本木の「21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3」にて、50周年を記念した特別エキシビション「ロイヤル オーク 時を刻んだ50年」を開催。その会場を俳優の前川泰之さんとMEN’S EX副編集長兼時計Begin副編集長の田上が訪れた。
田上 前川さんにはMEN’S EX本誌の撮影で、オーデマ ピゲの時計を着用いただいたことがありましたね。
前川さん(以下敬称略) はい。とても美しくラグジュアリーなイメージです。今回はロイヤル オークの歴史や時計製作の舞台裏も体感できるということで、楽しみにしてきました。
田上 早速、会場の中に入ってみましょう。まずは、1972年に発表されたモデル、その後に誕生した異素材のコンビモデルやフロステッドゴールドモデルなど貴重なアーカイブが並んでいます。
前川 ロイヤル オークって、ひと目見てそれと分かるデザインが画期的ですよね。
田上 そうですね。手掛けたのは時計界のピカソと呼ばれるデザイナー、ジェラルド・ジェンタです。彼は数々の名作を世に送り出してきましたが、ロイヤル オークは最初の作品です。ジェンタが小さい頃に目にした潜水士のヘルメットのデザインがその源といわれています。
前川 それまでもラグジュアリースポーツウオッチというカテゴリーはあったのでしょうか?
田上 当時は実用性を重視したスポーツウオッチが主流でした。’70年代、スイス時計界をクオーツショックが襲った際に、オーデマ ピゲとして何か革新的な時計を作りたい、というところからスタートしたのです。
column
天才ジェラルド・ジェンタが一晩で考案した!?
1970年、イタリアでラグジュアリーな要素を備えたスポーツウオッチのニーズが生まれていることを聞きつけた当時のオーデマ ピゲ グローバルCEO、ジョルジュ・ゴレイがデザイナーのジェラルド・ジェンタに依頼したのが誕生のきっかけ。ジェンタはホテルの一室にこもり、左のデザイン案を一晩で考えたという。’70年6月には初のプロトタイプが完成し、’71年に「ロイヤル オーク」という名称が考案された。
発売時のロイヤル オークの値段は3300スイスフラン。当時のゴールドウオッチよりも高く、スティールウオッチとしては世界最高額。当時の広告にも「Es ist die teuerste Uhr in Stahl」とあるように「最も高いスティール時計」と紹介されている。また、35~36mmサイズが主流だった時代に、39mmというケースサイズも話題を呼び、その大きさから“ジャンボ”の異名が付いた。当初1000本のみの販売で、マーケットとして想定していたイタリアでは初めこそ人気は出なかったものの、次第に世界中でその人気に火がつき、オーデマ ピゲのレギュラーモデルとして広まっていった。
受け継がれる職人技術が生み出すマスターピースとしてのロイヤル オーク
田上 大きいケース径ながらも、自動巻きでデイト表示もついて、薄いという、1970年代当時、ロイヤル オークが革新的な存在であったことは間違いないですね。そして、その構造や製造過程はこの50年、ほぼ変わっていません。特に注目していただきたいのが、ケース径の磨きの部分です。
前川 スティールとは思えないほどの輝きですね。
田上 そうなのです。サテン仕上げと鏡面磨きを組み合わせることで、独特の輝きと艶を表現しています。実はブレスレットのコマの内側まで磨きをかけているんですよ。職人が一つ一つ、あらゆる細部にまで手間をかけて仕上げているがゆえに、非常に限られた数しか生産ができないのです。
前川 ロイヤル オークはそうしたクラフト的な要素を持っている点でも価値がありますよね。ファスト的なものが増えている現代だからこそ、職人の技術への憧れも感じさせます。
田上 実際にこの会場では、ケースの磨きを見学できるコーナーがあるので行ってみましょう。
前川 こうした見学コーナーはいいですね! 作業工程を映像でも見ましたが、それを実際に間近で見られるのは楽しい。映像で紹介されている作業が、いかに繊細か実感できます。機械ではできない、人間の手作業が成せる繊細さ、緻密さを感じます。そして、その技術がオーデマ ピゲというブランドに脈々と受け継がれているんだと、改めて感じることもできました。
column
年間生産本数5万本という希少なロイヤル オーク
スイスのル・ブラッシュに工房を構えるオーデマ ピゲ。現在も新工房を設立するなど、設備投資を積極的に行い、ロイヤル オークの年間製造本数もようやく5万本にまで引き上げられた。
ケース表面のヘアライン加工やねじの向きまでそろえる六角形のビス止め、ブレスレットの一コマ一コマに至るまでの仕上げなど、製造工程では職人による手作業が欠かせない。一つの外装を完成させるのに実に10時間以上かかる。完成された時計一つ一つがマスターピースであるがゆえに、世界中の時計ファンが買いたいと願っても、なかなかすべてのファンの手元には届けられないのが現状だ。
未来へ、王道と革新の道を歩み続けるロイヤル オーク
前川 ダイヤルのヘアライン仕上げは難しかった(苦笑)。集中しちゃいますね。今回のように、それがどのように作られているのかを体感することはとても大事なことだと思います。体感することで、愛着が湧きますし、モノの価値ってうわべだけで判断することが多いけれども、本質的な良さを知ることにつながりますからね。
田上 受け継がれる技術があるというのもそうですし、独立ブランドとして、創業家が今なお、経営に携わり、モノづくりにいそしんでいるという点がオーデマピゲというブランドの最大の価値かもしれませんね。そして、今回の会場ではロイヤル オークの新作に触れられるのも、嬉しい点です。
前川 改めて触れてみて、50年経っても、古いとは全く感じさせない完成されたデザインですね。そして機能美も備えているのが魅力だと思います。
田上 大きくは変わっていませんが、新作では24Kゴールドのロゴをダイヤルにあしらったり、ブレスレットの薄さを調整したり、装着感を増すためにラグの形を台形にしたりと、実は細かい変更が加わっています。
前川 なるほど。王道と革新ですね。実際に手に取ってみると、きちんとした職人の技術で作られているという安心感があります。そして、“量産されていない”という優越感のようなものも楽しめると思います。けっして安くはないけれども、2世代、3世代使える、長い目での買い物、モノの良さを知ることが大事ですね。長く使うことで、持っている人の人生や生き方がそのものにしみついてくるし、時を重ねる中で、愛着が湧いていくし、モノが良くなっていくと思います。
田上 そうした、ロイヤル オークが持つ本当の価値について、五感で触れられるのがこのエキシビションの魅力ですね。最後の「ロイヤル オーク クイズ」は難しいと思いますが(笑)。
前川 会場内の展示を読み込めば答えられるものもありますが、難しかった(笑)。でも、50年前にロイヤル オークを世に出したことが、とても挑戦的なことだったことは理解できました。時代を変える人、出来事って、こんなものを世に出していいの?と思わせるものを、出すことからスタートしますからね。そういうチャレンジ精神がオーデマ ピゲには流れていると思いますし、自分もそうありたい。いい刺激をいただきました。
「ロイヤル オーク 時を刻んだ50年」開催概要
“見て、触れて、学ぶ”をテーマに、1972年発表当時のモデルをはじめとした、希少なヴィンテージモデルの展示、製作過程を記した資料や映像を会場では見ることができる。また、ケースの磨きを見学できるコーナーや、「ロイヤル オーク クイズ」、記念撮影のフォトコーナーなどもあり、ロイヤル オークを五感で楽しめる空間となっている。
会期:6月5日(日)まで
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
休館日:会期中無休
開館時間:11:00~19:30(19:00最終受け付け)
入場料:無料(事前予約優先)
主催:オーデマ ピゲ
ウェブサイト/予約:https://borninlebrassus.audemarspiguet.com/ro50event
*開館時間・休館日が予告なく変更になる場合があります。
問い合わせ:オーデマ ピゲ ジャパン
TEL:03-6830-0789(10:00~19:30)
ウィリー www.wheelieltd.jp トレメッツォTEL:03-5464-1158 バインドピーアールTEL:03-6416-0441
撮影=若林武志 スタイリング=武内雅英(CODE)