ロレックス、ブランパン、今も健在の傑作モデルで知るダイバーズウォッチの歴史

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高い防水性能や堅牢性によりアウトドアやスポーツでの活躍はもちろん、ファッションアイテムとしても人気のダイバーズウォッチ。そんなダイバーズのバイヤーズガイド『超本格ダイバーズウォッチ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。

深海への挑戦とともに誕生した
ダイバーズウォッチの歴史

ダイバーズウォッチは、いつ、どのようにしてこの世に生まれたのか?その誕生の背景と要因、そして1950年代における名作ダイバーズの歴史を追う。



スキューバ革命がもたらしたダイバー専用モデルの誕生

ダイバーズウォッチの歴史を語る前に、まずひとつの発明に触れなければならない。それはスキューバダイビングだ。スキューバダイビングは、日本で自給気式水中呼吸装置とも呼ばれるスキューバを身に着けて行う潜水であり、これに対して呼吸装置を使わない潜水がフリーダイビングやスキンダイビングである。

酸素ボンベを背負い、酸素を吸入しながら行うスキューバダイビングは今では見慣れた光景だが、その歴史は第2次世界大戦中の1943年に始まる。この年、フランス海軍将校だったジャック=イブ・クストーは、エンジニアのエミール・ガニアンとともに、高圧空気タンクとレギュレーター(圧力調整機)を組み合わせた世界初のスキューバ潜水具「アクアラング」を発明した。

それまでの息をこらえて行う潜水とは違い、スキューバダイビングは長時間、自由に水中を泳ぎ回ることを可能とし、ダイビングの世界に一大変革をもたらしたのである。また、スキューバの普及と商業的成功を収めたクストーはその後、調査船カリプソ号で海洋研究を行う傍ら、書籍の出版や記録映画の撮影により市民への啓蒙活動に携わる。

1956年の深海を扱ったドキュメンタリー映画『沈黙の世界』はカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得するなど、作家、探検家、水中考古学者といった幅広い分野で偉大な功績を残した。

フィフティ ファゾムスを着用したアメリカ海軍特殊部隊のダイバー
右はフィフティ ファゾムスを着用したアメリカ海軍特殊部隊のダイバー。左はその特殊部隊員たちと言葉を交わす、第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ。
©Blancpain, President John F. Kennedy speaking with U.S. Navy Seals divers wearing the Fifty Fathoms.

このスキューバダイビングの普及が時計界にもたらした影響も少なくなかった。より深く、長く潜ることが可能になったダイバーたちには従来の防水時計のスペックでは物足りなくなり、よりプロフェッショナルな性能を備えた時計の開発が求められた。そしてʼ50年代に入ると、その要求に応えるダイバー専用モデル=ダイバーズウォッチが登場する。

まず先陣を切ったのはロレックスだった。1953年登場の「サブマリーナー」は、ʼ20年代に開発したねじ込み式ケースバック&リューズの「オイスター」を進化させ、初の100m防水を実現。他にも、潜水中の経過時間が計れる回転ベゼルや視認性の高いブラック文字盤を備えたダイバーズの原型となる1本である。

これと並び、もうひとつの元祖ダイバーズとされるのがブランパン「フィフティ ファゾムス」だ。奇しくも同じʼ53年に発表されたこのモデルは、当時の同社CEOジャン=ジャック・フィスターの苦い経験をもとに開発されている。

南フランスでダイビングをするブランパンCEO(1950〜80)のジャン=ジャック・フィスター
南フランスでダイビングをするブランパンCEO(1950〜80)のジャン=ジャック・フィスター。彼のダイビング中の経験がフィフティ ファゾムス誕生の一因となった。
©Blancpain, Jean-Jacques Fiechter, Blancpain CEO 1950-1980

ダイビングの愛好者でもあったフィスターは、ある日潜水に熱中するあまり、ボンベの酸素を使い果たしてしまい、危うく命を落としかけた。そこで酸素ボンベの残量を測る時計の装備品を考えていたところ、フランス潜水戦闘部隊の元特殊工作員で“フランスのジェームズ・ボンド”の異名をもつロベール・マルビエ大尉が協力。軍事的戦略の見地から同じ構想を抱いていた大尉の提案により、60分計目盛りが付いた回転ベゼルの装備にいたる。

この回転ベゼルには水中で誤作動しないようロック機能を与え、蓄光塗料を施して高い視認性を発揮するブラック文字盤を組み合わせた。かくして完成した“フィフティ ファゾムス(水深91.45m)”は、フランス海軍以外にも、アメリカ、ドイツ、スペインなど各国の軍に制式採用される。ちなみにスキューバの生みの親クストーが映画『沈黙の世界』でこのモデルを着用したことも、本作が注目されるきっかけになったという。

その後もダイバーズは続々と登場する。1957年にオメガ「シーマスター」ブライトリング「スーパーオーシャン」を続けざまに発表。どちらも防水性は200mを確保しており、いっそう深海に適したハイスペック仕様へと進化した。さらにʼ59年にはジャガー・ルクルト「メモボックス・ディープシー・アラーム」を発表する。これは世界初のアラーム機構を搭載したダイバーズだった。

こうしてざっと歴史を辿ると、後に名作と謳われ、現在も人気シリーズとして続くダイバーズは、すでに多くが1950年代に誕生していたことがわかる。そして、その背景となったのは、ジャック=イブ・クストーらによるスキューバの発明と普及だったことも押さえておきたい。

ジャック=イブ・クストー。水中考古学の先駆者であり、スキューバダイビングの父でもある
自ら開発した潜水具「アクアラング」を装着し、海洋調査船カリプソ号の甲板に立つジャック=イブ・クストー。水中考古学の先駆者であり、スキューバダイビングの父でもある。


 

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