ビームス中村さんがもう一度復活させたい!「クークのハンカチ」

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COUCKEのハンカチ

ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さんが所有する貴重なお宝服の中から、ウンチク満載なアイテムを紹介する人気連載「中村アーカイブ」。「ベーシックな服もアップデートされていくので、何十年も着続けられる服は意外と少ない」という中村さんだが、自身のファッション史の中で思い出深く、捨てられずに保管してあるアイテムも結構あるのだとか。そんなお宝服の第50弾は……?

中村アーカイブ細バナー

【中村アーカイブ】 vol.50 / クークのハンカチ

クークのハンカチ

’90年代前半から’90年代後半にかけて購入したものです。’80年代はBEAMSで展開していたハンカチと言えば、日本製のオリジナルのハンカチかアメリカ製のバンダナがほとんどで、インポートのものは今のように定番として展開しているものはありませんでした。

’90年代に入り私がバイヤーとして海外でバイイングするようになり、当時ヨーロッパ最大の展示会であったパリのSEHM(セム)で見つけたのが、フランスのCOUCKE(クーク)のハンカチでした。

とても小さなブースに並ぶ、それまで見たことのないきれいな色柄のハンカチに目を奪われ、実際に手に取ってみると柔らかな生地もそれまでBEAMSが扱ったことのない上質感のあるハンカチでした。

初めて見たそのハンカチが気に入ってしまい、すぐにバイイングをしました。COUCKEは当時BEAMSで扱っていたハンカチに比べるとプライスも高く、正直品揃えの味付け程度にと考えていたのでオーダーも少量でしたが、フランスブランドならではのきれいな色柄と上質な素材感がうけて、ファーストシーズンから全色完売という好調なスタートでした。

それ以降毎シーズン新しい色柄が入荷するのを楽しみにされるお客様も増えて、’90年代後半まで約10年間バイイングし続けるという、ハンカチという目立たないアイテムではありますが、’90年代のBEAMS Fを象徴するブランドのひとつとなりました。

COUCKEは元々テーブルクロスやベッドリネン、エプロン、タオルなどを作るホームテキスタイルのブランドで、ハンカチのみファッションの展示会に出展していましたが、’90年代後半になるとハンカチのビジネスを徐々に縮小し、2000年代前半にはハンカチの生産を終えてしまいました。

ちなみに、COUCKEのキッチンリネンは今でも日本のウェブサイトで売られています。(呼び名はクーケになっています)

私自身、’90年代ハンカチと言えばこのCOUCKEしか買わなかったと言えるほどで、気に入った色柄が入荷するたびに購入したので今でも30枚以上所有しています。

もう手に入らないものですが、後生大事にすることもなく、今でもほぼ毎日COUCKEのハンカチを使っています。今後COUCKEがハンカチを復活させることはないと思いますが、もし復活した時は必ず展開したいと思っています。

このCOUCKEのハンカチは、私のバイイング歴の中でも思い入れと思い出深いブランドのひとつです。

2024

VOL.341

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