SUVは他ブランド以上に“イケイケ”な雰囲気
いやSUVにおいても、先ほどお話したことはほぼ同様なんです。すなわち「どれも今はそれなり以上にスポーティでおしゃれ」というのがありつつ、それでも「やっぱり昔から続くカラー(メルセデス・ベンツ=重厚、BMW=スポーティ、アウディ=先進的で都会的)は残っている」という部分は、SUVであってもまったく同じです。
しかしSUVのモデルに関しては今、メルセデスのそれ(GLCやGLE、あるいはGクラスなど)こそが、他ブランドの輸入SUV以上に“イケイケ”な雰囲気をまとっています。
それゆえ、そういったイケイケ感――と言うと表現は悪いかもしれませんが、まぁわかりやすいステイタス性とわかりやすいカッコよさのようなものを強く求める人にとっては今、BMWのXシリーズやアウディのQシリーズ以上にメルセデス・ベンツの各SUVのほうが適任であると思われます。
その反面、「自分は落ち着いた感じのクルマが好きだから」という人が、本稿のセダン/ステーションワゴンの部分だけを読んで早とちりしてメルセデスのSUVを買ってしまうと、「……なんかちょっと違うかも?」と感じてしまう可能性はあります。そこだけは少しご注意ください。
だがいずれにしましても、メルセデス・ベンツの各モデルには「とにかく乗ればわかる」としか言いようのない圧倒的な良さあるいは強烈な個性が、モデルや世代を問わず、確実にあります。そしてそれは一度体験してしまうとけっこうクセになってしまうほど素晴らしいものですので、とにかく食わず嫌いだけはしないでいただきたい――というのが筆者の願いです。
もしもご友人が何らかのメルセデスをお持ちなら、どこかでぜひ運転してみる機会を作ってみてください。そうでなければ、近所の正規ディーラーで試乗車に乗ってみてください。
そうすればきっと、メルセデス・ベンツというクルマが欲しくなるはずです。ステイタス性うんぬんとかぜんぜん無関係に、本当に素晴らしい乗り物ですから。
まずはぜひご体験ください。そして、当連載をほんの少々の参考にして、いずれかの世代のそれを買ってみてください。
そうすれば、もちろん例外はあるでしょうが、99%以上の確率でかなりのご満足いただけるはずだと、メルセデス・ベンツについて書いたり乗ったり買ったりしながら25年以上過ごしている筆者は、確信しているのです。
文/伊達軍曹 編集/iconic