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【在宅贅沢コーヒー2】Matsurica 1978(宮城)

親子2代、40年以上かけて築き上げた産地とのネットワークが魅力
珈琲鑑定士が選ぶ希少なシングルエステートビーンズ

カフェ内観

仙台で父が経営していた1978年創業のスペシャルティコーヒー専門店「Matsurica 1978」を引き継いだのが、東京でソムリエとして活躍し、28歳の時最年少で日本ソムリエ協会シニアソムリエ資格取得、国際ワインコンクール審査員などを務めてきた松本 章氏。物心ついた頃からコーヒーと向き合う父・信之氏の姿を見て育った。

「父が大病を患って店を続けられなくなったが、支えてきてくれたお客様にご不便をおかけしてはいけない」と、一念発起、コーヒーの資格の中でも、世界で通用する本場・ブラジルでの珈琲鑑定士の資格取得を目指し、コーヒーの知識とポルトガル語を猛勉強。2015年、現地で見事資格を取得して後を継いだ。

「父に教わったのは、常に五感を研ぎ澄ますこと。コーヒーの場合は、基本的にワインのように熟成することはありませんが、視覚や嗅覚、味覚を駆使して味わいを記憶し、主観的に表現すること、また土壌、気候、標高、水捌けなどが味に影響し、最終的には農園、生産者で選ぶという部分など似ている部分は多いと思います」と語る。

父の信之氏が築き上げた長年の信頼、そして自らも5年間でブラジルやハワイを中心に30農園に実際に足を運ぶなどの人間関係から、季節によっては希少なチャンピオン豆も入荷している。父の代から続く、契約農家から届く豆を使用した定番商品も魅力だが、在宅仕事の合間にぜひ楽しみたいのが、同じ畑の豆は二度と出さないという、まさに一期一会の「月替わりのプレミアムセット」。実際に足を運んだ農園だけでなく、畑の状態をGoogleアースでリサーチした上で、農園から直接仕入れた豆など、「今だけ」のスペシャリティコーヒー2種をセットにしている。

月替りプレミアムセット

コーヒーは全て自家焙煎、店内の小型焙煎機2台で毎日、営業前に3〜4時間かけて焙煎する鮮度の良さ。ちなみに、次回1月27日に発売となる「2月のセット」は、ブラジルで試験的に栽培されている希少な品種で、ナチュラル製法ならではの、梅のコンフィチュールのようなフルーティさとシナモンのような芳香の「イバイリ」と、ナッツやカカオのような甘い香りが魅力のラオスの最上級品種「ティピカ」だ。飲み比べるうちに、コーヒーの深い魅力に気づき「次はどんな豆が入荷するのかな?」と次の月がやってくるのが楽しみになるはず。

コーヒー愛好家が長年集ってきたどこか懐かしい飴色のカウンターは、日本のコーヒー文化と共に歩んできた。「豆を気に入ってくださったら、ぜひいつか第二のリビングとして寛ぎにきてほしい」と松本氏。その日がくるのが楽しみだ。

松本章氏
松本章氏
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