この機構が凄い!
Point 1
2分間で1回転するトゥールビヨン
キャリッジが1分間で1回転する一般的な“ワンミニッツトゥールビヨン”に対し、本作は2分間で1回転する特殊な1/2倍速仕様に。ダニエル・ロートが他にないトゥールビヨンを作りたいという思いから、機構内に独自パーツを組み込むことでこれを実現した。
Point 2
焼き入れと焼き戻し
時計の伝統製法である金属パーツへの“焼き入れ”と“焼き戻し”。バーナーを使って高熱であぶり、冷ましてから歪みをとるためにプレス。その後、再び約320度であぶる。今では多くのメーカーが省略するこの工程を、ダニエル・ロートはすべて手作業で行う。
Point 3
手作業のみで天真のサイズを調整
サプライヤーから入手したテンプの軸“天真”を、納入時の100ミクロン前後から72ミクロン(72/1000㎜)に加工。天真はわずかな差で精度に違いが出るため、誤差は許されない。使用するのはルイ・エリゼ・ピゲの工具で、この作業だけで2時間を要す。