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M.E. アマチュアでは、中島啓太選手も活躍されています。

丸山 そうですね。中島選手も将来的には活躍してもらいたいと期待していますね。僕が主催するジュニア大会に出ていた選手ですし、息子の奨王とは同級生でもあるので、彼が小さい頃から知っています。ですから、頑張ってもらいたいですね。ちょっと偏った応援ですけどね(笑)。

丸山さんが注目する《次世代選手-4》 中島啓太さん
「見ている世界が違う。ゴルフもめきめき上達、才能ある!」

中島啓太さん
2020日本オープンの練習日初日。

中島啓太さん NAKAJIMA Keita
2000年生まれ。埼玉県出身。日本体育大学所属。’18年「アジア大会」に日本代表として出場。団体・個人で金メダル。2020日本オープンでは18位。11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では3位、「ダンロップフェニックストーナメント」では8位タイの好成績を残す。

M.E. 選手の練習方法や使用する道具なども随分と変化していると思います。そのあたりはどう思われますか?

丸山 僕らみたいな感性で動いていた時代と違って、今の人達はデータで管理している。自分のスイングのビデオもそうだし、形とか。どんなふうになっているかっていう、研究で全部わかる。僕らの時代は感覚だけ。1ミリ2ミリの入射角度なんていうのは、見られない。これからは、ゴルフも数字重視でAI化していくと思います。僕らは数字のことを言われても「うっせーな、感覚は違うんだよ」と、ちょっとひねくれていたんですけど、今は、数字に頼るほうが正しいんじゃないかと思ってきたくらいです(笑)。

M.E. 勝つ選手と勝てない選手の差はなんなのでしょうか?

丸山 うーん、紙一重だと思いますよ。正解がなんなのかはわからないですね。ただ、上位に来る選手は、マネジメント能力含め、一番大きいのはメンタルの強さかなと。ゴルフでは、失敗したことの蓄積が選手生命を、急激に縮めたりする。やっぱり嫌な思い出ってずっと残るんですよね。思い出さなくてもいいことがプレー中にすっと出てきたりするものです。そういうのをはねのけて、それ以上のメンタルで戦えるかどうか。コースとも、周囲とも、自分とも戦わなくてはいけない。ゴルフは戦いがすごく多いんですよ。だから若くてフレッシュで楽しくやれて、怖さもわからない、その気持ちっていうのは、この歳になってみると、すごくわかります。

2019年の全英オープン

2019年全英オープン
2019年全英オープン練習ラウンドにて。左から松山英樹選手、堀川未来夢選手、金谷拓実選手、解説者として現地を訪れた丸山茂樹さん。ティーショットを前にベンチで記念撮影に応じた。
2019年全英オープン
2019年全英オープンでの松山選手と丸山さん。

M.E. 丸山さんご自身のプレースタイルやゴルフへの思いが変わったきっかけとなる試合はあったのでしょうか?

丸山 1996年の全英オープンですね。全英オープンに初めて出て、ゴルフの取り組み方とか、こうしたい、ああしたいという思いが変わってきました。そして、志すところはやっぱりアメリカなんじゃないかなという思いが強くなってきましたね。それから3年後にはアメリカに挑戦しに行っているので、その思いは相当なものだったと思います。

M.E. なるほど。そして、これまで常に自分自身との戦いだとおっしゃっていますよね。

丸山 ライバルを意識する負けず嫌いと、自分自身に負けず嫌いと両方いると思うんです。僕なんか比較対象の相手が誰もいないから、自分自身と自問自答していく世界。まあ周りに誰かいれば、ライバルとして意識したのかもしれませんが……。だから人のことを意識することが、人生の中であんまりなかったんです。

丸山茂樹さん
丸山さんが海外を志すきっかけとなった、1996年の全英オープンのときの様子。このときは、初出場ながら14位タイ、そして、翌’97年は10位タイで自身初のトップ10入りを果たした。そして、2002年大会では、一時首位に立ち、初のメジャー制覇をかけた1戦として日本中を沸かせた。

M.E. でも海外に行かれて得たものは大きかったわけですね。

丸山 日本ツアーが嫌いになったわけではないですよ。スポット参戦でツアーに出るようになって、ギャラリーの対応とか、反応も違う、コースも全然違う。あ、この環境は凄い!と。それから選手に対してのリスペクト感、環境づくりが全く違う。どんどん向こうに自分の気持ちが吸い込まれていって、勉強になる。ああいう打ち方もあるんだっていう、気付かなかった部分が見つかる。自分が教えてもらったわけじゃないですが、一緒に回るプレーヤーとか、難しいところに行くと見に行きたくなるんだよね。あっ、難しいところ、外れたけど、次クラブは何を選択するんだろう? どうやって打つんだろうって。自分だったら、想像もしないことをやったりする。それが勉強になるんです。もっといろんなことがあるんじゃないかって思わせてくれましたね。

M.E. そうした経験も次世代に伝えていかれるのでしょうか?

丸山 僕は個人的にプレーしてきてひとりよがりに思われがちなんですけど、ずっと団体競技が大好きで。僕は団体戦という団体戦にほとんど出てるんですよ。世界アマチュアやアジアアマチュアとか、お陰様でアジア大会に出て団体で優勝し表彰台に上がる喜びを味わえたんです。だから代表戦が大好き。代表になったら、こういうのが喜びだよとか、この表彰台に上がるとめちゃめちゃ感動するよとか、「君が代」を聞いたら今までのなかで一番気持ちいいよっていうのを伝えられる。今の子達は考え方も実力も違うので、他はナンも言うことないです(笑)。

M.E. 次世代の選手達の今後の活躍も楽しみですね!


※掲載しているプロフィールは2020年11月現在のものです。
[MEN’S EX 2021年1・2・3月合併号の記事を再構成]
写真/筒井義昭〈丸山さん〉AFLO AP、PA Images、Golffile、報知新聞、日刊スポーツ /AFLO

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