SUVベースのスペシャリティカー
エクステリアデザインは、近年のマツダのアイコンであるシグネチャーウイング(フロントグリルの下部から左右のヘッドランプへとつながる翼のような造形)を採用していない。マツダの現行ラインアップでこれを採用していないのは、MX-5(ロードスター)のみで、ここでもMX系が既存のシリーズとは違うことが見て取れる。
そして、最大の特徴は、マツダがフリースタイルドアと呼ぶ、いわゆる観音開きのドアを採用することだ。このドアを採用したことで、真横から見るとまさにクーペのようなCピラーの傾斜角を実現。フロントドアは82度、リアドアは80度という、大開口で、使い勝手の良さも担保している。かつてはスペシャリティカーというと背の低いクーペと相場が決まっていたけれど、現代的な解釈としてSUVをベースに仕立てたというわけだ。
インテリアには、8.8インチのセンターディスプレイに加えて、エアコンの操作などを行うタッチパネル式のロアディスプレイが配置された。コンソールは浮き上がったようなフローティングタイプとなっており、アームレストに肘を置きながら、自然な腕の角度で各デバイスを操作できるように設計されている。ドリンクホルダーの周辺やドアハンドルの内側には、コルクが採用されている。これはマツダの前身が東洋コルク工業だったことから着想を得たものという。特殊な樹脂を含浸し耐水加工することで、コルクの自然な風合いを残しながらも、汚れにくいものになっている。
パワートレインは、2リッターガソリンエンジンにスターター兼発電機のモーター「ISG」、24Vリチウムイオンバッテリー、DC-DCコンバーター、回生協調ブレーキを組み合わせたマイルドハイブリッド方式。エンジンの最高出力は156ps、最大トルクは199Nm。モーターのアシストは6.9ps/49Nmとなる。トランスミッションは6速ATで、駆動方式はFFと4WDがあり、燃費(WLTCモード)は前者が15.6km/L、後者が15.1km/Lとなる。