時代の先端で医学も装いも本質に迫る、慶應義塾大学教授 宮田裕章【スーツ・オブ・ザ・イヤー2020受賞】

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「世の中にメッセージを発したいとき、個性を出すことで伝えられることがある」──宮田裕章さん

医療に軸をおいて日本のデータサイエンスを牽引する宮田裕章さん。新型コロナウイルスに関しては厚生労働省と連携してLINEを使った全国調査を行い、ビッグデータの正しい活用法を提示した。情報を集めるだけでなく、協力してくれた個々の状況に合わせて有益な情報を提供する仕組みを作ったのだ。

「今までのデータは、平均値という名の誰だかわからないユーザーを捉えるために使われていました。ですがこれからは、一人ひとりをこぼさず捉えて、そこに寄り添うために活用すべきと考えます。このコロナ禍で象徴的だったのが給付金です。コロナバブルで潤う企業の方にも一律で支給されました。スピードを優先した側面もあるでしょうが、データで実態を把握していれば、一人ひとりの痛みに応じたサポートができたでしょう」

もちろん、人から派生したデータが、国や一部企業だけに集中・独占される状況は良くない。

「データは共有財です。誰もがアクセスできる権利を持つべき。たとえばひとりの患者がいるとします。その方にこれから先どのようなことが起こるのか、治療はどうすればいいのか、1万人の患者のデータがあれば、ある程度判断がつきます。そのデータが10万、100万となればさらに精度が上がる。これは医療のケースですが、データ共有は今後どんな分野でも重要になってくるはずです」

さらにそのようにデータの共有化が進めば、逆に個々の価値観や趣味嗜好、LGBTを巡る状況などについても理解が深まると言う。

「一人ひとりの個性が尊重され、それが輝き、響き合いながら回っていく。それがこれからの社会のあるべき形だと思います」

個性といえば、宮田さんの装いやヘアスタイルもかなり個性的だ。TVにもファッショナブルな出で立ちでたびたび登場している。

「たしかにファッションは好きですが、ちゃんと場の空気に沿う装いもできますよ(笑)。ただ記号化した装いから逃れられない人も多いので、世の中にメッセージを発したいとき、あえて個性を出して臨んでいます。そういう意味でスーツは今、とても面白いアイテムですね。品位を保ちつつ多くの人と繋がりたいときに一番間違いないドレスコードでありながら、選び方や着こなしで個性を輝かせることができるアイテムへと変化してきた。こういうふうに共通項で繋がりながら自分を表現していくことって、今の時代に改めて大事なことだなと考えています」

試行錯誤して行き着いたホワイトヘアー

試行錯誤して行き着いたホワイトヘアー

宮田さんのトレードマークと言えるホワイトヘアー。これは美容室で念入りに作っているこだわりの色。「好きな服の傾向に合い、金髪と違って慶應のドレスコードを破らないのがいいですね」と笑う。

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