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現実的予算なら前期型の「ティプトロニックS」

そのため、「現実的な予算で中古のポルシェ911を探したい」という場合は997前期型カレラの5速AT版、車名で言うと「911ティプトロニックS」というやつが有力候補となります。実際の価格は個体によってまちまちですが、ざっくりとした相場は「350万から450万円ぐらい」という感じ。このぐらいであれば「安くはないけど、なんとかなるはなる! 」という人も多いのではないでしょうか。

しかし前期型997カレラのティプトロニックSを探す場合には、いくつかの注意点があります。まずひとつは、前回お伝えした996型でも問題となっていた「インターミディエイトシャフト」です。

エンジン内部の構成部品であったインターミディエイトシャフトのベアリングが走行中に破損し、最悪の場合はエンジン全体がオシャカになる……というシャレにならない問題なわけですが、前期型997カレラの「そのなかでも初期の年式」は、前身であるタイプ996と同じ形式のベアリングを使っています。すなわち「ぶっ壊れる可能性がある」ということです。

具体的には2005年2月21日製造分まではタイプ996と同タイプのベアリングで、それ以降は、前期型であっても対策品のベアリングが使われています。

2005年2月21日までの前期タイプ997カレラについてはポルシェ・ジャパンが「サービスキャンペーン」というのをやっていて、インターミディエイトシャフトに関する点検と必要な対策を無償で引き受けています。そのため、問題ないといえばないのですが、まだ対策整備を受けていない2005年2月21日製造分までの前期型997カレラについてはちょっと注意が必要なのです。

そしてインターミディエイトシャフト問題以外にも「6番シリンダー問題」というのがあります。これは、後ろから見て右側バンクのエンジンシリンダー内に傷が発生してしまい、それが原因でエンジンがぶっ壊れることが希にあるというものです。

これは、ろくすっぽメンテされてこなかったダメダメ系個体=格安物件で発生する可能性が相対的に高いようですので、値段の安さだけにつられてオンボロな底値系中古車に手を出さないよう、自制する必要があります。

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